連日35~40度を超えるような猛暑が続いていて、冷房を入れない室内でもそれ以上の気温になることもあるが、『猛暑日の屋外での激しいスポーツ』は練習にせよ試合にせよ十分な注意が必要か、気温・日差しが極端に強い時には思い切って中止すべきなのかもしれない。
猛暑日には体温調節能力が低下した高齢者や未熟な子供を中心に、1000人以上が救急搬送されて数人が死亡するという統計的な傾向がでていることから、猛暑日の屋外やクーラーなしの室内では『年齢・体調・持病(循環器系・呼吸器系など)』によっては誰が倒れてもおかしくはない。
熱中症は単純にこまめに水分・塩分の補給をしていればならない病気ではなく、どんなに普段鍛えていてこまめに水分を摂っていても、『長時間の強烈な直射日光・大量発汗・体温上昇』などがあると、わずかな身体のコンディションや潜在的な持病の存在によって熱中症の症状が出るリスクがある。通常は、ギラギラ照りつけるような直射日光をまともに浴びながらの状態で、激しい運動を続けることはどんなに練習を積んでいてもハイリスクな行為である。
血液の水分が減って脳への血液循環量が減少したり、自律神経の体温調整機能が追いつかなくなると熱中症の『めまい・頭痛・吐き気・失神(気絶)・体温上昇・異常な大量発汗(その後の発汗停止)』などの症状がでてきて、血液中のナトリウムやカリウムが極端に欠乏すると痙攣を起こして失神する重篤な症状(死ぬ可能性のある症状)が起こることもある。
個人的に猛暑でも構わずに走ったり歩いたり登山したりしているが、スポーツの試合や練習と異なり、『自分自身の意識・体調のセルフモニタリング』をしながらマイペースで休憩と運動のリズムを作れるので『熱中症』になりそうな状況までいかないように注意している。ただし、夏山登山というのは最も熱中症になりやすい運動の一つであり、自分の体力と気分、疲れの状態をこまめに感じ取って少しでも体調に違和感を感じたら無理をしない(休養を取りながら早めに引き返す)のが一番である。
直射日光を浴びながら歩くのも気持ちいいが、20~30分くらい歩いたら日陰・木陰で少し休んで水分を補給してのんびりするようなストイックになり過ぎないリズムを楽しみたい。
炎天下の甲子園の野球やアメフトなどは、『夏の風物詩・タフなスポーツ選手の見せ所』といった印象が強く、そういったタフな選手が頑張る姿を見たい観客も多いだろうが、日々鍛錬してもやはり生物学的な人間の身体機能・適応能力には限界があることは忘れるべきではない。
普段であれば気づかないような潜在的な持病や器官・血管の弱さが、『異常な高温条件下』でダメージを受けて様々な思いがけない症状・発作を起こすリスクもあり、何もしてなくても意識がぼんやりしやすいような炎天下での練習・試合には、監督や開催者が『選手に無理をさせない・安全の幅を大きく取る』という慎重な判断を下してほしい。