人間も生殖の仕組みは哺乳類と共通だが、興味関心が過剰でプロセスが複雑な現代人の意識は成熟しづらく、適齢期の生物学的指標と気持ち・生活環境が一致せずに高齢出産は増えやすい傾向になる。
高齢妊娠リスク要因解明=特定たんぱく質が減少―藤田保健衛生大
コヒーシンというタンパク質は、複製された染色体を娘細胞に均等に分離するプロセスや減数分裂をの安定的プロセスに関係しているようだが、『コヒーシンの量的減少』だけが高齢出産の不妊・染色体異常のリスクに関わってるなら、医学的に対応が可能なのかもしれない。
現代では、個人差はあるが人の生命(出産可能期間)の有限性と人の興味関心の無限性のギャップに対して、出産時期を計画的あるいは本能的に織り込まないと、若い時期での出産は難しくなっているし、人類は元々精神分析的には『本能が壊れた動物・観念で興奮する種』とも言われていたりする。
岸田秀の『性的唯幻論』ではないが、人は他の動物のように生殖本能のみに従った性行為を遂行することができず、男は他の動物よりもインポテンツの心理的リスクを複雑に抱える。客観的には裸体・性器のいやらしさは幻想だが、文明人の性交は性道徳・わいせつ性の侵犯や私秘性の共有幻想に依拠する程度には脆弱化したという。