軍事的拡張主義の中国の国境侵犯問題:日本の『積極的平和主義』と中国の『核心的利益』との対立を埋める外交努力を。

日本の『積極的平和主義』と中国の『核心的利益』と米国の『東アジアの安定秩序』の抽象性(解釈の曖昧さ)を排除し、『法と道義の支配』を明確化するためのプロセスを積み重ねる必要がある。

中国軍幹部、日米批判に反論 首相を名指し、深まる対立

どちらが先に武力で威嚇したのか違法行為をしたのかは『水掛け論』になるだけではなく、関係各国の『ナショナルな国民感情』を悪化させ、その世論の後押しを受けた『仮想的国設定の外交・軍事方針』に傾くことで、偶発的な有事発生のリスク(交渉不能な武力衝突の可能性)が格段に高まってしまう。

日中米が冷静な話し合いのテーブルにつき、『問題解決志向の共通認識』を固める作業に逃げずに向き合わなければならない。日本が批判する『中国の力による現状変更』、中国が警戒する『積極的平和主義の建前』が具体的に何を意味しているのかについて語り合い、お互いの問題点を改善するために妥協点の交渉を進めて欲しい。

中国は『東シナ海の対日本の尖閣諸島』『南シナ海の対ベトナムの西沙諸島(パラセル諸島)・対フィリピンの南沙諸島(スプラトリー諸島)』の領土問題について批判されていることを真摯に受け止め、史料に基づく領有権の共通認識が成立していない海洋に対する拡張主義をいったん自粛して自由航行の協議に応じてはどうか。

20世紀までは、東シナ海・南シナ海の無人島の島嶼部に対する領有権を主張する国家はなかったし、そもそも本土から離れたバラバラの島を所有するという価値観そのものを持っていなかった。この海域における島嶼部の領土争いは、現代に改めて作られた近代国家の問題で、歴史的な固有の領有権を争っても本質的にナンセンス。