セクハラ野次の問題で陳謝した鈴木章浩都議の事務所に生卵が投げつけられた事件

セクハラの野次は女性の尊厳や国際的な印象・議会の品位を貶める行為だが、個人的な制裁や嫌がらせをして良いわけではない。生卵を事務所に投げつけるのは稚拙な嫌がらせで抗議手法としても効果がない。

ヤジ認めた都議事務所、大量の生卵投げつけられる

容疑者の50代男性が、本当に鈴木章浩都議のセクハラ野次に対して怒りを覚えていたのかどうか定かではないが、生卵をぶつける行為が『女性の尊厳や自己決定権』を守れという反セクハラの意思表示をしているとも思えない。あるいは鈴木都議の熱心な支援者か何かで、期待・信用を裏切られた事に対する腹いせかとも思うが。

ただ反論できない社会的に弱い立場に追い込まれた鈴木都議を、ストレス発散の憂さ晴らしで叩きたいだけの愚行のようにも見える。『悪』と認定された犯罪者や不祥事を起こした人を徹底的に誹謗したり嫌がらせをしたりする行為は、『悪事に対する憤り・是正要求』と『個人的な不平不満・憂さ晴らし』の境界線を見失いやすい。

鈴木都議に『反省と改心(議員辞職)を要求する抗議の文書』を送ったり、『鈴木都議の発言の何が問題なのかを具体的に指摘して非難する活動』を行うのであれば、まだ抗議行動としての体裁を取っていると言える。ただ事務所を生卵で汚しても、鈴木都議の問題発言の何に憤っているのか、何を求めて抗議しているのかが伝わりにくく、それならまだ抗議・憤りの文書をペンキで大きく事務所に書き付けるようなやり方のほうが効果がありそうである。