オスプレイMV22の佐賀空港への配備計画:1機100億円ともされるオスプレイの購入費用の高さと戦争経済

オスプレイの問題は『事故率』より『1機約100億円の価格』。日本の離島防衛や集団的自衛権を理由に高額な最新兵器を米国から買うが、オスプレイの投資対効果に見合う作戦は実際は殆どないのでは。

自衛隊「オスプレイ」、佐賀空港配備の裏側

オスプレイMV22は『航空機の高速移動・長距離移動』と『ヘリのホバリング・垂直離着陸(滑走路不要)』のハイブリッドな特長を持つ。基本的には兵員の輸送や敵地・遭難地からの人員救助に役立つ機体だが、敵地への上陸戦を前提としない日本の安全保障に必要な機体数は限られている。積載能力も極端に高いわけではない。

オスプレイの事故率は従来機と同等かやや低いくらいとされているが、機体の価格の高さがあるため、民間人の人的損害を抜きにしてもオスプレイが墜落すれば経済的損失は大きくなる。航空機とヘリの融合という未来的コンセプトの具現化ではあるが、航空半径約1000キロは『有事における中国沿海部の牽制距離』とされる。

しかし攻撃能力が殆どないオスプレイが単体で中国沿海部まで人員・装備などを輸送できるはずもなく、日本にとってのオスプレイの大量購入は『日米同盟・米国の軍事会社への配慮』といった側面がやはり強い。離島防衛でも竹島に兵員を載せたオスプレイを飛ばすほどの強硬策を取るはずはなく、尖閣諸島に飛ばす必要も薄い。