大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)・前副社長のナッツリターン騒動…わがままの度を越すと社会的弊害が大きい

大韓航空の韓進など韓国十大財閥が、金権の『儒教的な身分意識』を生み、貴族のように育てられた三世以下が、思い通りにならない他人という当たり前のストレスに耐えられない未熟さを露呈しただけの事件だろう。

しかもCAの担当者はすぐに平謝りしていて、ナッツの出し方を変えたり違う食品を提供する準備があったのだから、そこまで怒ったり暴れたりして、航空機の安全・正常な運転を妨害しなければならない理由がない。

大韓航空前副社長の逮捕状請求へ ナッツ・リターン騒動

大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)・前副社長の異常な能力不問の厚遇に限らず、韓国十大財閥の公共セクターを除く財閥が、数兆円~数十兆円の事業規模にまで拡大しながらも、現時点でも『血縁者優遇(役員総固め)の同族経営』を続けているのはかなり旧弊な経営感覚である。日本の上場企業にもそういった会社は結構あるが。

日本にも金持ちが偉いという金権感覚がないとは言えないが、2000年代以降は若年層を中心にして『ギラギラとした拝金主義・カネを権力として振り回す感覚』はあまりスマートなものとは見られなくなり、金持ちだから敬意を払えというのは『人を雇っている立場・サービスを受ける客の立場』以外ではそう通用しない。

韓国は日本よりも一周程度は価値観の遷移が遅れていること、少数の財閥に資産と雇用が集中し過ぎていることがあるので、日本より『カネ・財閥の持つ一般的な影響力』が広範かつ直接的に働きやすく、この趙顕娥前副社長にしても関連企業の従業員などを中心に相当に横暴・非常識な態度を取っても許されてきたのだろう。