高齢者はなぜ信号・横断歩道のない所で道路を横断するのだろうか?横断歩道までの数十メートルを歩く体力・気力の低下、車の速度・歩行速度・距離を認識して間に合うか否かを判断する能力の低下、運転手の判断能力の過信などが想定されるが。
運転手が歩行者(自分)を認識していれば、歩行者が渡り終わるまで速度を落とすか止まってくれるはずという過信は、車の運転なら危険性の高い『だろう運転』である。9割以上の車は見通しの良い道路なら歩行者がどこを渡っても速度を十分緩めるか止まってくれるだろうが、『見落としやよそ見・極端な高速』のリスクは常にある。
高齢者・子供の急な飛出し、ふらつきながらの自転車の車道走行は最も危険だが、高齢者の信号・横断歩道なしの車道横断は、特に日が落ち始める時間(夜中・早朝)から事故率が上がる。ドライバーが『こんな時間にこんな道路を歩行者は横断しないだろう』の予断で飛ばし、気づいても止まれず死亡事故になるのは早朝に多い。
高齢者だけではなく稀に10~20代前半の若い人でも、薄暗い早朝の時間帯に登校・出勤中、信号・横断歩道のない道路を横断しようとして、高速走行の車に跳ね飛ばされる事故は年間に何件か必ず起こっている。若い人の認識・運動能力があっても、適当なタイミングで車を信じて渡って車側の速度や意識を見誤ると簡単に事故になる。
車のドライバーに対しては、希望的・楽観的な見通しに基づく『だろう運転』をやめて、もしもの時の危険な状況(飛び出し・信号無視・急ブレーキなど)を想定した『かもしれない運転』をするようにと長年アドバイスがなされ続けているが、歩行者・自転車で移動する時にも車のドライバーと同じような『かもしれないの注意力・危険回避の準備』を持って道路を渡るべきなのだろう。
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