昭和生まれの日本人にとっては、『ハロウィン』というのはそこまで馴染みのある行事でもなく、9~10月の時期にかぼちゃをデザインしたお菓子の詰め合わせ・雑貨の小物などが売っていたくらいの記憶しかないのではないかと思う。
現在の年齢で、20代半ばより下の世代にとってはハロウィンは、一年の中であって当たり前のポピュラーな行事として認識されているというが、『ハロウィンだからこういった祝い方(イベント)をするという定型的な過ごし方』があるわけではなく、大人も一緒にコスプレをして仮装行列を組むイベントへの参加は、日本全体ではごく一部(主に東京都心部)の人たちがやっているに過ぎないように思う。
大半の人はハロウィンらしいパッケージのアイテム・お菓子、かぼちゃを使った料理・スイーツなどをちょっと楽しむくらいのものではないかと思うが、経済効果が約1280億円でほぼバレンタインと同じくらいの規模だという。
食品・菓子・コスプレ雑貨・パーティーグッズなど含めた経済規模の大きさを考えると、『10月にも何か大きな商機となるイベントが欲しいというビジネス上の要請』があって、2000年代後半くらいから大手チェーン店の商品開発(季節商品)の協力も取り付けながら、電通・博報堂などがマーケティングを仕掛けていった結果なのだろう。
しかし、日本経済の大きさを考えれば約1300億円はそれほど巨大なマーケットではなく、『各世帯がいつもよりちょっと多めに季節物商品でお金を使うハロウィンの過ごし方』が定着していったということかもしれない。渋谷でやっているような数万人以上が押し寄せるような仮装行列パーティーというのは人口が多い都心の局所的な現象であり、地方の人口100万程度の政令指定都市レベルでもそんなに仮装行列が至るところで行われている風景の印象は薄い。
百貨店やショップの店員さんとかでコスプレやメイクをやっている人はいるかもだが、老いも若きもみんなでコスプレで仮装をやっているわけではないし、おそらく一生に一回もやらない人のほうがまだまだ多いだろう。
ハロウィンの本場の祝い方や過ごし方とは違うと言われても、古代ケルト人の収穫祭・宗教行事を起源とするハロウィンの意味を汲み取った祝い方を日本人がしても意味がないように思うし、『収穫祭=秋の味覚の美味しい食材を食べる行事』とするなら、かぼちゃ以外の肉・魚・野菜・キノコなど色んな食材にスポットを当ててもいいと思うが、元々日本では食欲の秋と言われていて追加的な経済効果は乏しいかも。
子供がちょっとしたコスプレをして、地域や商店などでお菓子・おまけをもらえるような子供のお祭りみたいな感じにしてもいいと思う。
青年~大人で『俺・私もハロウィンをもっと楽しみたい・普段と違う衣装で気分転換したいという人』がいるなら周囲に迷惑をかけない範囲でコスプレでもお菓子配りでもやればいいと思うが、自分自身がやりたいかと言われたら大してやりたくはない、10代の学生時代でも多分やらないだろう……。
まぁ、昔からこういったみんなで集まってバカ騒ぎをしたりド派手・奇抜な恰好をしたいという人は、日本のお祭りにも多く出没していたわけだが、『何らかのイベント性・理由づけ』があればそれにのっかってとにかく弾けて遊ぶという気質の人もいるが、そういったバカ騒ぎとは常に距離を置いて見ている冷めた人(大衆的なお祭り騒ぎ・バカになる楽しみ方に無関心な人)もいるというだけだろう。