右脳の楔前部の体積が大きいほど幸福を強く感じるというが、同じ人でも『時期による幸福感の波』があり、単純に体積と幸福感が相関するか否かも問題になるだろう。
被験者の年齢が若すぎる(若い時期には学校の人間関係が順調なら誰でもそれなりに幸福を感じやすい)というのもあり、『経済・家庭・老後設計』などの境遇の差が開く中高年層のデータも集める必要があるように思う。
この研究は楔前部の体積が大きければ『幸福感を感じやすい(今まで幸福感を感じる頻度が多いかその時間が長かった)』という事を示唆するが、この部位の大きさを調べれば『幸福体質(小さな事にも喜びや幸せを感じられる気質・性格)』かどうかが分かる精度があるとすれば画期的な研究成果になる。
頭蓋骨や脳自体の大きさ、脳容積の男女差なども考慮すべきかもしれない。 幸福かどうかの度合い、人生の意味の実感などについての調査方法が、従来の『質問紙法・自己評価』なので、『幸福とは何か・どのくらい幸せか』という幸福の定義や定量化が曖昧になっている感じはある。
脳の楔前部を大きくすれば幸せになるのか、幸せを感じやすいから大きくなったのかの因果関係の方向性が重要なのだろう。
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