レトロな喫茶店と最近のカフェ:個人経営の喫茶店での談笑の楽しみ

30年前に営業していた喫茶店は殆ど閉店して、全国チェーンの店などに変わっているが、レトロな個人商店は『店主(マスター)との相性次第』な所がある。商品・空間だけ求める現代の風潮に適応しづらい。

30年前のガイドブックに載っている喫茶店に行く

個人商店は『店主(マスター)の城』みたいになりやすく、良くも悪くも『店主・店員・客の流動性』が今風のスタバやドトール等のカフェと比較すると低い。『お客様扱い』もほどほど。『おなじみの顔ぶれ・馴れ合いの会話・プライベート筒抜け』のスナック感覚だが、そういった雰囲気が昼から好きな客層は減っただろう。

個人経営の喫茶店は近隣住民を中心とした常連が支える店が殆どであり、スタバのように不特定多数の大勢の客が出入りする型(常連はいても店員と私的な会話は基本ない)の店とは違う。店舗の形態が大型化・匿名化・都市化したと言えるが、今と昔では『心地良く感じる店との距離感・店員の接客と言葉遣い』もかなり変わった。

スタバ等では常連客でも店員がタメ口・職務外の話題で話しかける事はまずないが、個人経営の喫茶店や食堂に毎日通えば『タメ口・私的な会話も有り得る雰囲気』が醸成されやすい。現代の匿名的なマニュアル接客は、経営の効率化・会話なしのメリットもあり、誰でも入りやすい店(客を平等に扱う店)になる。

全国チェーンなどで大規模なビジネスとしてやろうとすれば、個別のお客さんと悠長に世間話したり、常連客だけに居心地の良い人間関係を構築したりする暇はないし、そもそもお客側がそういった型のサービスを求めていない。昔から飲食・小売の商売を大きくする時は、客層と接客の質を変える必要があると言われたものだが。

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