古代ギリシアのソクラテスや古代中国の孔子、聖書のイエス・キリストの昔から、自分ができていないことで他人を責めるな(自分ができないことを他人に強いるな)という『知行合一の徳性・ノブレスオブリジェの自覚』が語られてきたものだが……現代の政治家・権力者の語る道徳論や人生論の多くは『俺(私)だけは特別扱いせよ・一般国民はもっと刻苦勉励(自己規制)せよ・自分はできないがそれは問題ない(詳細の回答は拒絶)』というダブルスタンダードの厚顔無恥を隠そうともせず、自信満々の発言に自分が率先して反するような行動をして自滅している。
男性の育休取得率の増加を政策課題に掲げた自民党の宮崎謙介元議員は、育休を取りながら妻の出産直前にタレントとの不倫・自宅密会に勤しむというギャグのような不倫行為で自滅して議員辞職した。
育休中も税金から歳費(給与)全額が支払われる国会議員の特権性を考えれば、支持者でもない有権者に対する違背でもあるだろう。当然、男性の育児参加(イクメン増加)とか育休取得率の上昇とかいう政策目標についても、発言と行動の大きなズレによって説得力が皆無となる。
『保育園落ちた、日本死ねブログ』が話題になっている時、前杉並区長の山田宏氏が『まぁ落書きですね。産んだのはあなたでしょう。まずは親の責任』という発言をして物議を醸した。
だが、2010年に愛人と隠し子の存在が発覚しており、山田氏は妻に謝罪して隠し子を認知したというが(それも血縁上の親の責任といえばそうなのかもしれないが妻と三人の子に対する違背行為ではある)、その後夫婦関係の悪化などを理由に山田氏の側から離婚訴訟を起こしていて家庭はかなり以前から崩壊していたようだ。
保育園に頼るな、子供はまず自己責任で育てろの持論を持っているようだが、山田氏は子供が乳幼児期だった時期を含めて、子供の育児に参加したり協力したことがないと報じられており、妻からの家庭人・父親としての評価はかなり低い。
子供から好かれているのか嫌われているのかは不明だが、常識的に考えれば、育児参加がゼロに近く愛人・隠し子を作って婚姻関係下の家庭を軽視していたことから、子供が父親を尊敬しているとか親しみを覚えている可能性も低いと思うが、ニュースでは山田氏は著書『第三の道』で子育てに臨む父親のあるべき姿について語っている。
『正しい生き方を自信を持って子供に伝えるには、親自身が胸を張って、正しいと言える生き方をしなくてはならない』
なるほど、子は親の背中を見て育つとはいいますが、未だ男尊女卑の家父長制・扶養と支配・妻妾制を地でいくカネに物言わす権威に裏打ちされているようで、お前が言うなと言われても致し方ないような…。
まぁ、この方の時代性や男女観を前提にすれば女房を働かして保育園を使わなきゃならん男やシングルマザーがそもそもおかしいんだ、俺みたいに家庭を壊さず二人三人と愛人と子供まで養う甲斐性を持ってから物を言えというアナクロニズムで終わりそうですが、おぬしも奥さんと裁判までして離婚しようとしているではないかというw。
保育園ブログ問題にヤジを飛ばしていた自民党の菅原一秀衆院議員(54)も、3年前に20歳以上年下の27歳愛人と楽しく公費で4泊6日のハワイ旅行のバカンスを満喫されていたそうで……『保育園なんて俺は別に要らないし興味ないし(カネはあるが身体と時間がいくつあっても足りない、若い女と遊ぶのにも忙しい。俺バツイチだから不倫ではない)』の本音の知行合一をわかりやすい事例で示して下さった感じですね(^^;)
権力・公費にあぐらをかいて庶民感覚も一夫一婦制(男女平等)の前提も欠落した方々が、保育園問題を切実な当事者意識を持って論じること自体、土台無理でしょうに。