子供を産んで『母親』としてのアイデンティティーを持つことと友人知人との関係性が変化すること

結婚・出産で『人間関係・友達づきあいの範囲や距離感』は変わる。子供・家族が中心の忙しい生活にならざるを得ず、『類似した境遇にない友人』とは話題・関心・気持ちのズレも開きやすい。

子どもを産んでも完全に「母」にはなりたくない “自分らしさ”のありか (ウートピ – 06月28日 21:01)

男性も中年期以降は、会社の同僚などを除けば親密な友人関係を維持している人は減るが、女性は男性とはまた異なる理由で『ライフステージによる友人知人関係のシャッフル(入れ替え)』が起こりやすい面がある。結婚するかしないかだけでも、人生の生き方や価値観・生活感はかなり違って、話題のズレも生じやすい。

基本的に、人は年齢を重ねるにつれて居場所や関係性が固定される事で、『人間関係の選択や時間配分の自由度』が落ちる傾向があり、結婚・出産は特に『関係と生き方の固定化』の作用(見方を変えれば関係性が長く変わりにくい保証)を持つ。

この記事では『母』になって友達と疎遠になるのが寂しいとあるが、結婚にせよ出産にせよ『夫婦・親子といった長期的に続くであろう絆(将来の寂しさ軽減)』に期待し決断する面もある。友人・恋人は『気持ち』だけに依拠した関係で純粋に楽しい関係だが、結婚(法律)・親子(血縁)より相対的に将来も続く確実性が弱い。

人間の身体が一つしかないこと、夫婦関係や親子関係は『自分を特別な存在として認め、一定の独占欲を持つ他者とのリレーションシップ』が前提になっていることによって、『配偶者・子供以外の他者との付き合いの自由度』が落ちる意味では、友人関係のあり方や生き方の相性も一定の変化を強いられやすい。

それでも、自分が身体を痛めて生んだ子供との関係性・絆というのは、ほぼすべての母親にとって『他の友人知人との関係性』などと比較できるレベルのものではなく、圧倒的に優先度が高いものである事は確かで(そうでなければ子供の心身の健康も守れない)、そこに寂しいだの疎遠になっただの不満を言っても詮無き事である。

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