『DVと束縛・別れの拒否・ストーカー』から襲撃殺人に至った事件で、利己性と被害を考えれば死刑も妥当だが、人を殺すほどの『見捨てられ不安・衝動制御不能』は母子関係・成育歴の問題も絡むものだろう。
若い時期の恋愛や異性関係には『独占欲・執着心』は働きやすいが、母性剥奪による愛着障害・誰ともつながりを感じない極度の孤独感などがある場合、『恋人=ずっと見守ってくれる親の擬制』と感じ、『離れたら生き死にに関わる狂気的な執着』を持つ者が出る事もある。恋愛が順調なら『愛情と狂気の境界』に気づきにくい。
愛着障害やトラウマ体験(アダルトチルドレン)を原点に持つ境界性パーソナリティー障害としての解釈も可能だが、そういった男性に近づかなければいいといっても、このメンタリティは『自分を愛してくれる女性への飢え+必死の恋愛の努力』があるので、一途にのめり込むマメで情熱的・誠実な人のように見える事も多い。
境界性やそれ以前の性格・認知の偏りは、殺人までいかない『DV・束縛・不安』として現れる。『小さな事でヤキモチを焼く・思い通りにならないと不機嫌になる・こまめな連絡を求める・別れ話で怒りしつこい』のレベルは経験した人も多いはずで、正常圏の執着・不安定・暴力性を超えなければ面倒な性格で片付けられる。
元少年の加害者が『利己的・非人道的な殺人行為』を行ったことは死刑に相当する重い罪だがその心理は『悪意の殺人』というより『見捨てられ不安のパニック・孤独恐怖の足掻き』に近かっただろう。心の拠り所がない人生や境遇における光明(愛情・執着)と暗黒(喪失・犯罪)の落差で加害者心理に陥る人は多いといえば多い。
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