鳥取県、60歳兄が56歳妹に熱湯をかけて殺害, 高齢化社会の中の貧困

老親の年金のみに頼る『高齢貧困世帯』の問題だろう。中年期以上の子世代が経済的自立や財産形成に失敗して『負の要因』が累積すると、仕事・過去を題材に『家庭内の悪者探し』が暴力化しやすくなる。

<傷害致死容疑>56歳妹に熱湯、死なせた60歳逮捕 鳥取

親の世代よりも子・孫の世代が貧困化していく構造的問題は、これから『高齢者の貧困と生活保護・無年金低年金・医療や介護から排除される世帯』として表面化する可能性があるが、『二進も三進も行かなくなった人』というのは自己否定・行動転換に行かなければ、暴力・他者非難(暴力で血縁者を変えたい)に行きやすい。

60歳兄が56歳妹に『しっかりしてほしかった』と熱湯をかけたのは意味不明だが、妹に火傷を負わせたことを母親に注意されてまた熱湯をかけたという。『思い通りにならない現実・他者』に対し、この男は自分が変わって問題を解決するのではなく、他人を責めて脅して動かそう(自分は逃げる)とする間違った学習をしたか…

結局、1990年代半ばをピークに、日本の平均賃金は下落を続け、格差も大きくなってきている。60代までみんな同じ程度の所得や資産を得ながらハッピーエンドというのは、共産主義的なユートピアの夢想に過ぎないかもしれないが、これから『老親もカネ・年金のない時代』に突入していき一体どうなるのか心配です……。

老親の年金や財産をアテにして、50代以上の経済設計に失敗した子が集まってギリギリの生活で糊口を凌ぐのは『現代的な高齢世帯の貧困・長期無職』の問題だが、これも『豊かな時代の名残・貯蓄』に支えられている話でいつまでも続くものではない。今、30~40代は『非正規・低年金・無貯金』も多く、子孫を養える老人は殆どいなくなるだろう。

スポンサーリンク