清楚と奔放の類型は『陰陽二元論』のイメージに近い。清楚の魅力は『禁忌の侵犯』、奔放は『情欲の開放』で、『黒髪・色白・ゆるふわ・受身・無知などのイコン』は多分に男性的な独占欲(他の男や過去がない)の幻想性に支えられる。
現実に生きる女性が、清楚・貞節か奔放・淫乱かの二元論の枠に収まるわけではなく、これらの分類自体が男性社会的なセクシャリティとジェンダーの影響を孕む。『外見・性格・言動の分かりやすさ』と『異性・性愛に対する積極性』から清楚か否かのステレオタイプの印象はあるが、モテるかどうかと直接の因果関係はない。
清楚とは『飾り気がなく清らかなこと』だが、本当の人格・実態・本音は別かもしれないが、外見・言動から『自然な美しさ・清潔感(爽やかさ)・上品さ(丁寧さ)』を感じられる女性を清楚系とするステレオタイプが形成されている。エログロや不潔さ、ドロドロな感情・悪意から遠いイメージは一般的な好感度は高めやすい。
清楚の観念の中心にあるのは『不自然に飾り立てない清潔感』であり、男女関係における清楚の魅力の要素になっているのは『処女性・貞節性(世俗・男の欲情に汚されていない)のイメージ』だろう。清楚系でモテる女性は、『清楚だけどあなただけ特別にもっと距離を詰めていい』のギャップや禁忌の侵犯を演出するのが上手い。
年齢・経験・意図にもよるが、そういった清楚系の振る舞いがほとんど演技な女性もいれば、本音が含まれる女性もいるだろう。本当の清楚とは何なのかの思索は循環論だが、『男性と殆ど口を聞かない・下品な話題は無言で通す・表情や発話が乏しい』等の清楚さは拒絶的なのでモテにくいだろう。
清楚のステレオタイプを満たす外見・振る舞い・ファッションは、恋愛でプラスに作用する確率は低くないはずだが、普段の言葉遣いが適度に上品・丁寧でありつつ、笑顔・挨拶・愛嬌があるような場合はモテやすいだろう。若い世代の女性なら相手・恋愛への興味を前向きに示し共感的な話し相手になるだけでも好かれやすいのではないだろうか。