男性の喫煙率が初めて3割を切る:現代でタバコを吸う人が減り続けるのはなぜか?

昭和の喫煙率の高さは『文化と慣習・多数派の同調圧力・タバコの安さ(庶民の少ない楽しみ)』によるもので、タバコが男性ジェンダーの格好良さ・大人っぽさを象徴するアイテムでもあったから、早くに喫煙し依存症になりやすかった。

男性の喫煙者率、初めて3割切る 健康意識の高まりなど要因

昭和の時代は不良文化・労働者文化でも企業文化(オフィスワーク)でも、タバコは必須という感じであり(MOZUのようにいつも紫煙が室内でくすぶって煙たく)、『酒・タバコの嗜み』が『社交性の高まり・談話機会の増加』ともつながっていた。仕事の有用な情報が『お約束のタバコ休憩』で取り交わされたりもあった。

労働条件がハードな職場も多く、『お約束のタバコ休憩』で非公式の休みを取りやすい働く側のメリットもあり、皆が喫煙者だったから『ちょっと一服』でジェスチャーすれば、10分くらいは随時に休めた。連れションよろしくそこに上司・部下がわらわら集まって雑談したりで、喫煙文化は人を寄せる娯楽でもあったのだろう。

今は時代の価値観やトレンドが変わってしまって、まず『タバコ=早熟で大人っぽい・格好いい・男らしい』というイメージが失われた。健康に悪くて匂い・煙で迷惑になりやすいものを敢えて吸うというイメージ悪化もあり、格好つけで吸う若者も減った。増税・喫煙場所の規制強化もあって負担も増えた。

国際的な禁煙ムーブメントが激化し、タバコはテレビCMを打つことができない、パッケージはおどろおどろしい大文字の警告文(海外はがんの写真)で占められ見かけのデザイン性もなくなってきた。旧世代の冴えない依存物質のような扱われ方で健康に悪い情報で溢れ、値段も上がり続けるのだから、喫煙率は減って当然だろう。

昔は、大人・先輩の世代が子供に『成人したらタバコくらい吸ったほうが様になる』という喫煙文化を継承する価値観を伝達していたが、今は大人世代も自分が禁煙して子供世代に『タバコなんかお金の無駄で体にも悪いから初めから吸うな』と正論を語るようになり、タバコの文化的・同調的な価値が崩壊した影響も大きい。

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