ネットの検索結果から削除を求める裁判は、EUでは『忘れられる権利』で削除が認められやすい。今まで『犯罪履歴の削除要請』が多かったが『暴力的集団との関係を示唆する内容の削除』は新しい型ではあるな。
客観的事実でも犯罪の履歴や不祥事が永続的にネット上に残されていると、自分の名前で検索されると前科がばれ社会復帰や再就職が困難になるなどの理由はあるが、原則では賞罰の隠蔽はしてはならないものだ。だがネット以前は『人の噂も七十五日』であったのに、ネット社会では半永久的に残るという不利益は大きいものだ。
『忘れられる権利・人格権の保護』では、前科や犯罪事実をいつまでもネット上にインデックスして検索可能な状態にしてはならないとされる。それでも『殺人罪・死刑囚』は例外的だ。犯罪史に残る凶悪犯罪者は、延々と言及されるので削除しても終わりがない、風化させず犯人の実名・記録を残しておく公共的価値もあるのだろう。
結局、その犯罪者が死刑になったり長期収監されたりするのか、出所して社会復帰を目指していくことになるのかの違いが大きいのだろうとは思うが、事件の種類・性質・話題性によって『自分に不利な過去の犯罪事実』を削除命令で消せる人といつまでも言及されて消すことができない人の格差には不公平感も出るだろう。
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