○将棋・チェスは世界トップの棋士でもAI(人工知能)には勝てなくなったが、三浦弘行九段(42)の一手ごとに離席する不自然な動きが、『将棋ソフト利用のカンニング』ではないかと疑われている…AIは既に人対人の過去の棋譜のデータベースからの学習を完了したとされるが、これからは棋士のスマホ持込禁止・閲覧禁止のルールの徹底が図られるようになるのだろうか。
かつて人間にとってほぼ無限に近い棋譜のある将棋やチェスは、人間の予測する高度な知性がぶつかり合う知的ゲームの典型とされたが、『設定されたルール内のパターン学習』においてAIは圧倒的な強さを持つ。現状では世界王者でも5戦してかろうじて1勝の水準だが、完全にAI優位となれば人のゲーム探究に水が差される。
三浦九段にかけられた疑惑は本人は否定しているが、仮にそういったスマホやPCによるAI利用の不正があったとしたら、そこまでして勝つことに何の意味があるのか、AIがすべてのデータベースとパターン学習を網羅したゲーム(ソフトでチェックすれば最適の一手が分かる)におけるプロの威信低下などは有り得るかも。
○『逃げるは恥だが役に立つ』は新垣結衣と星野源のキャスティングありきのドラマですね。石原さとみの出版社の校正をテーマにしたドラマは化粧・服装がキメキメですが、新垣結衣は髪型・服装は凡庸なのに透明感・爽やかさがある感じで、キャラ・印象は相当に対照的な感じになっている。
ドラマのテーマの契約結婚は共生婚の変化バージョンみたいなものか。ストーリー展開で恋愛関係も絡めるだろうが。新垣結衣はドラマでは明るく爽やかな笑顔で売っているイメージが強いが、トーク番組などではテンション低めなキャラだったりの落差もある。『リーガルハイ』『掟上今日子の備忘録』の役柄も色彩が異なるが、新垣結衣の魅力は飾らない自然体な雰囲気があるのに、抜きん出た透明感や柔らかさがあるということだろうと思う。
全体を通してクライマックス以外は笑顔が少なく無愛想なトラウマのある音楽教師のキャラを演じる『くちびるに歌を』という、合唱部・ピアノ・長崎県の教会群を題材・舞台にした地味な映画もなかなか味わいがある。日本のドラマは誰が出演するのかのキャストに依拠する部分が多く、海外ドラマのようなストーリー勝負は少ない。
http://blogos.com/article/195116/
○小林よしのりの国家重視の政治・歴史の漫画は『ネトウヨ量産の一因』とも言われたが、今は保守派ではあるがブログでネトウヨを痛烈に批判し、なぜかAKB48が好きで誰を推しているだの新垣結衣が可愛いだのアイドル愛好家みたいになっているがどうしたんだろう…。
戦後民主主義や個人主義の過剰(リベラリズム)を否定して右派的・戦前回帰的な啓発活動をしていたかに見えた小林よしのり氏だが、政治系論壇で勇ましい発言が多かったイメージから、急にAKBとか女優とかの若い女性の容姿・外見の魅力に酔いしれてひたすら褒めたたえるオヤジのような嗜好開陳の記事が多くなっている…これはこれでユルいノリで悪くないがシリアスな話題の説得力は落ちるかもしれない。