頸性神経筋症候群の症状・苦痛と治療:下向きで画面を見る時間が長くなったための現代病

スマホとPCの画面を見てる時間が長く、ストレスも多い現代人は姿勢・筋緊張が固定して『VDT症候群・スマホ症候群』を発症しやすい。僕の首・肩の不調と座った姿勢での気分の悪さもそれと関係した『頸性神経筋症候群』にほぼ該当するが、画面・下方を見ず休養を多めにするライフスタイル転換の決定的治療法が難しい……。

現代の西洋医学は『画像診断・血液検査・運動機能障害』にひっかからないこの手の慢性疾患・不定愁訴・自律神経症状の治療は苦手で、診断や治療法も選定しづらくリハビリか湿布・筋弛緩剤・抗不安薬しかない。『鍼灸・マッサージ・整体・ヨガ・岩盤浴』に効果はあるが根本は下向き・固定の姿勢の多いライフスタイルですな。

『頸椎症』は画像診断で一定の所見が見られるが、松井孝嘉医学博士が提唱した『頸性神経筋症候群(首こり病)』は画像所見はないが、固定姿勢による首のこりからくる『自律神経失調症(副交感神経系の機能不全)』である。頭痛・めまい・目の疲れ(ドライアイ)・呼吸のしづらさ・睡眠障害・集中困難など全身症状が出る。

精神医学で、ストレスや精神的原因がないのにうつ病類似の全身症状が出る『頸性うつ病』もある。首・肩・背中のこりや不調が前駆症状であってその後にうつ病的な症状が出た時に疑われる自律神経失調の疾患である。身体を鍛えたり精神力で乗り切ろうとすると逆に悪化しやすく、リラックス・画面注視の減少・休養しかない。

ネット検索すると、類似の症状で悩む人が意外に多い。『座った姿勢での息苦しさ・パニック感(その場に留まれない感覚)』は確かに、精神医学・臨床心理学の一般的知見からすれば『パニック障害』を疑わせるものだが、頸性神経筋症候群では精神的不安などが前提になく、首・肩のこりや不調を長く意識していた人がなりやすい。

一定時間以上、パソコン作業やスマホをしていると、頭・首・背中の気分の悪さで集中力が低下し、精神力でそれを乗り越えようとすると最後は横にならないと収まらないレベルの頭重・吐き気・めまいになりやすい。十分休めば一時回復する。悪い状態で無理して動くと飲食店に座るのもかなり気力が要る…地味に厄介な病気だな。

頸性神経筋症候群は一般に不定愁訴・各部の不調と判断されて対症療法になりやすいが、『緊張型頭痛、めまい、自律神経失調症、うつ、パニック障害、更年期障害、慢性疲労症候群、ドライアイ、不眠症、機能性胃腸症、過敏性腸症候群、機能性食道嚥下障害、ドライマウス』の背景疾患になりやすい認識があると良いかも。

脳と首を接合する自律神経系の位置関係や周囲の筋肉の緊張度によって、症状は重くも軽くもなる。『立位・歩行中(運動中)・横臥(寝る体勢)』ではまず症状が出ることがなく、『安静なはずの座位・デスクワーク・自由に体位を変えられない状態(会議室・飲食店・美容院等)』で姿勢・神経が固定され症状が出やすいようだ。

結局、パソコンやスマホだけでなく『読書・読み書き』も下向きの作業なので首・肩の負担になる。今まで『気力・意欲が続く限りはいくらでも好きなだけ読める・書ける・作業ができるという健康の前提』が崩れやすくなった弊害は多いが人の有限性や加齢も含め『メンテナンス・休養のコスト配分』が多くなるのは仕方ない事か。

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