生活保護の不正受給が過去最多、どう離脱支援できるか?, 官僚の天下りにある先輩後輩の情実主義・慣例化した既得権

○働いた分だけ生活保護が減額される仕組みも不正(所得未申告)を誘発しやすく保護離脱を困難にするが、未申告は金額・雇用形態にもよるが『働けない状態を装う不正受給』とは質が異なる部分はある。

生活保護の不正受給が過去最多 15年度4万3938件

原則貯蓄ゼロでなければ保護が受けられないとか、臨時収入が何回かあってもその後に途絶えたらどうする等も、『継続的な自立(生活保護離脱)』を図る上の障害になるが、心身の健康問題だけでなく『仕事能力・貯蓄・適性と経験・コミュニケーション力・勤労意欲』のどれかがゼロなら元の才覚もないと大変な状態にはなる。

日本は再チャレンジ困難と言われるが、職業経験・資格や学歴・学習能力など何も持たない人でも、『愚直な勤労意欲+人並み以上の体力(肉体労働適性)あるいは愛想・見栄えの良さ(サービス適性)』があれば何とか食える程度の収入は得られるはずだが、年齢を重ね挫折・辛酸を味わい愚直・関係性を失うと心折れる人も出る。

生活保護と最低賃金のバランスの問題、本人の人生設計・モチベーション・学習能力もあるが、『仕事』にせよ『労働』にせよ、安定して稼ぐための雇用基盤をいったん失うと、再就職に何度か躓いたり蓄え・支え(お金・意欲・関係)を失えば容易に厳しい状況に追い込まれやすい。

生活保護の不正受給に対する厳しいバッシングが起こるのは、それだけ現代日本では生活保護前後の所得水準の働き方や雇用が増えており、『懸命に働いても最低限の生活だけで精一杯の層』が増えて中流階層が崩れてきている事の現れである。超高齢化・年金未納率・単身家庭・非正規率など生活保護増加の要因も減りづらい。

○官僚の仲間意識が『公共倫理・法規制』を逸脱した問題だが、『縁故主義』はなかなか撲滅できず慣習と情が絡む。困っている知人を優先して口利きして上げたい心理は分かるが、民間の自分の会社ではない。

天下りあっせん「人助けだった」 文科省OBが証言

『天下り(高待遇・利権的な職業斡旋)』というのは、国家公務員・官僚の立場から見れば『縁故主義の助け合い』であり『エリート主義のセーフティネット(キャリア官僚が定年後の職・金に困る事などあってはならない)』かもしれないが、一般国民から見れば『税源のポストを自分たちだけで回し続ける不正利権』に過ぎない。

ただ民間か公務員かで法的な対応が変わるだけで、その心情にあるのは『同じ集団組織に属して共に働いた身内意識を持てる仲間を助けてあげたい・助けられる仕組みを慣習化したい』というものだろう。縁故の優先・口利き・ポストづくりは公務員でなければ『人助け』の面はあり、困って頼んできた知人からは感謝されるものだ。

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