男女のカップルの極端な年齢差に生理的嫌悪感を感じる人の心理:若さ・美・財力・能力の市場的な釣り合い

ある女性が、男女の恋愛の年齢差について『極端に年下の女性』を好むのは生理的嫌悪感と年齢差別を感じる話を書いていたが、女性の過半数はそう思うだろうし、10歳以上離れると『純粋な恋愛』という感じにはならない。今まで女性から『男は所詮若くて可愛くてまっさらな女が好きだからね』という言葉は幾度となく聞いた記憶もある。

男性心理というか生殖適応の観点からは、男性は若い女性を視覚的・反射的に好む傾向はあるが、若い女性が苦手な男もいるし、会話は同世代以上のほうが内容はある。僕は年齢の上下にはこだわらないが一般に年を取ると、自分が若い頃よりも距離を詰めてくれる『若い女性(女性なら若い男性)』はキラキラして見えやすいのかもしれない。

男性が極端に若い女性を好む時には『容姿の好み・若々しい肉体や仕草・性的な欲求』だけで『精神のつながり・無償の愛・存在の受容』を蔑ろにしているのではないかという批判は概ね妥当だ。おじさんが若い女性に求めるのは真剣な交際・性愛そのものよりは、一時的な癒し・人生の重石がない人の笑顔の軽みみたいなものだ。

エロス(情熱・性的魅力)かルーダス(遊び)かプラグマ(利害)かアガペー(無償の愛・献身)かの違いでもあるが、年齢が20歳以上も離れるようだとその人(その年代)の子・孫と同世代にもなる、ある種のインセストタブーが想起されて気持ち悪いとなりやすい。単純に見た目・加齢のバランスの崩れが大きすぎるのもある。

若い世代にも中高年の世代にもそれぞれの魅力とニーズがあるという話だが、『全ての魅力とあらゆるニーズ・場面に応える資質を備えた人』は男でも女でもいないという事である。知識や経験、世の中を知るという事は、一般に生存適応度や人格・思慮の深みを増すが、異性関係においてはくつろげない面倒くささになる恐れもある。

中高年男性には地位があって高所得であることを自分の若さの欠如を十分補填する魅力と考える人もいるが、これなどもおじさんの都合の良いフィクションに近い。実際は『既に完成してしまった今が上限の中高年』より『これから成長余地のある同世代の男』が好まれる。これも若い女性側から見たageism(年齢至上主義)かもしれないが。

極端な年齢差のある男女の組み合わせへの違和感は、社会的バランス理論(マッチング理論)から考えて『財と性の交換原理』が露骨すぎたり『若い人の無知・未経験につけこんで丸め込む策略』が見え透いていたりするからだろう。逆に飲み屋の同伴とか風俗とか利害ありきの関係である事が明示されている方が違和感は減る。

もう一つは自分もアラフォー世代になり、若さを陰らせている身だが、男性でも女性でも結婚・子供などで自分のアイデンティティを固めてないと、『(経験・知識・人間性はそこそこに)若さと美・性を中心として動く現代社会・恋愛市場』における自分が市場のメインストリームではもはや及ばなくなった感覚になりやすい。

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