○日本の閉塞感は、擬制身分の雇用構造が『建前平等+格差拡大』と結合し、景気指標が回復しても自分の収入増にならないと思う人が増えた事にある。
働く人の7割以上が「将来が不安」「日本の将来は良くならない」と回答 収入よりワークライフバランス重視する傾向も
マクロな人口動態のモメンタム(慣性)は、今後約半世紀は日本の人口が増加しないことを示唆するが、人口が増加しないことがイコール『将来が良くならない・社会全体の景気回復による大きな恩恵は回ってこないという悲観的な認知』になっている。2017年現在、株価や消費の指数では今の日本は好景気、空前の売り手市場である。
確かに景気・消費・設備投資などの経済指標が上向けば、大手・公務員の手取りは増えるし過去最高益の会社などはがつんとボーナスで大盤振る舞いもあり得るのだが、非正規・中小をはじめとして過半の労働者は日経平均・企業業績・公務員俸給が引き上げられても、直接お金が入ってくるわけではないのである。
新卒採用からの正規雇用や業務独占の専門職の積み上げ型のキャリア形成以外の人では『日本全体の景気・株価の上昇』がむしろ明るい材料ではなく、ニュースで賞与・株価・旅行だで浮かれている時に取り残されている感覚になりやすく、『日本経済の指標変化と賃金・賞与が直接リンクしていない層』が多いほど将来悲観になる。
日本の雇用構造やキャリアパスは、学卒後の初期キャリアからの積み上げで作られた格差を、途中から巻き返して差分を取り戻す働き方は『起業・自営業・投資での成功』以外に殆どなく、新卒でなければレガシーな安定企業に非正規の人が中途で入って実力で先輩を抜かすキャリアも特殊な技術者・出来高制以外はまずない。
その意味で、日本の名の知れた平均給与の高い大企業の多くは、『入社年次を問わない実力主義・営利主義』ではなく、多少の先輩後輩の逆転はあっても基本的には『メンバーシップ制に基づく年功序列・終身雇用(中途から外部の人間を入れたり、勤続無視で引き上げる事を好まない擬似共同体)』であるといえるだろう。
○最近の芸能人は早婚も多いがTAKAHIROと武井咲の結婚・子供、ある種『美と財の集中・格差拡大』でもあるが、昔の家柄がなくなった為に『遺伝的・経済的な階層の類似性』が男女により働きやすくなった。
TAKAHIROと武井咲、結婚&妊娠3ヶ月を発表 来年第1子誕生へ「ますます精進して参ります」
三田佳子の悪友・薬物で失敗した息子、草刈正雄の転落死した息子など、遺伝的・経済的な優位があるから必ずしも順風満帆とは限らないが、明石家さんまの娘のIMALUの記事で父親の個人資産が約100億円とかいう話があって、明らかに庶民の初期条件との差は大きい。数十億円以上の資産を稼ぐような芸能人・著名人(遺伝的な容貌や才能の優位を活かして稼げた人)は、非制度的な現代の王侯貴族みたいなものかもしれない。