生物の運命である「老化・寿命」までも克服しようとする生命科学:科学技術の勝利か神の領域のタブーか

老化は現状不可避な生物の運命だが、最新の遺伝子治療・再生医療では「老化の克服」も研究目標として掲げられ、中期で実現可能とする研究者もいる。先進国の少子化・労働力不足と科学進歩の相克か。

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本当に人工知能の超人的な(休みなき)解析機能の研究支援を受け、生命科学の加速度的進歩によって「老化・寿命の克服(健康年齢・若さ維持が100歳以上になるなど)」が起これば、人類と国家のあらゆるパラダイム(常識・現実の前提)がオセロのようにひっくり返り革命的社会変動が起こる。人口減少が逆に必要になる。

最先端の生命科学者には、未来の人類は老化や病気で傷ついたり機能低下した器官を人工臓器と置換可能になり、「半サイボーグ化」するという仮説もある。人口減少や生殖適応度の低下は、個人の寿命の長寿化と相関があり、平均寿命が100歳を超え老衰する老人がいなくなる世界は、子供が非常に産まれにくくなる。

人工臓器との置換というのは、遠くない未来に部分的には再生医療の進歩で実現するが、もっとも困難な人工臓器は人間の自意識・記憶と相関する「脳」であることは間違いないだろう。現時点ではSF的なお話だが、脳の内容と意識起動を「別媒体」に移すブレインアップロード説など、SF好きには面白いアイデアは色々ある。

現時点では空想上のお話だが、人類の知能は古代から現代に至るまで、「頭の中で想像した大半のこと」を道具や科学で実際に実現してきた。今後は人間の知能を大きく超える人工知能も科学研究に参加してくることから、老化・寿命の克服に限らず今まで荒唐無稽な想像に過ぎなかったことが具体的技術として形になる可能性はある。

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