自民党の憲法改正・軍事力強化で北朝鮮のミサイル発射の暴挙を抑え込めるか?

北朝鮮の核開発・軍拡も本質は『北の国内問題・人民抑圧』で、日本が改憲し軍拡・核武装しても解決するとは考えにくい。北朝鮮(核10発程度)は核弾頭約7000発保有の米国の警告も聞かない。

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軍拡による破壊兵器の数字と能力の競い合い、軍事的なパワーバランスによって、北朝鮮の行動を押さえ込めるのであれば、圧倒的な軍事的優位のある米国は約20年前に北朝鮮に核開発を完全放棄させられていたはずだが、現実はそうならなかった。軍事の弱小国であるベトナムやイラク、イランさえ米国はコントロールできず。

戦争可能な憲法、軍事予算と近代兵器の軍拡をすれば、どこからも攻撃されず国家の平和、国民の人権・安全が守られるかというと、世界最強の軍事国家であるアメリカとロシアの近現代の推移を見れば分かるように、『軍事力があれば戦争もテロも起こされず国民が殺されない』というのは全く歴史的に実証されていない。

日本がどれだけ軍事・防衛に予算を偏重させても、米中に並ぶ軍事国家にはなりようがない、それだけの人口動態と税収拡大の余地を失い、超高齢化社会の国内問題の不安が重すぎる。核弾頭とミサイルを大量保有して核武装すれば対北朝鮮で安全かというと、金正恩体制では被害妄想による先制攻撃のリスクを軽視できない。

金正恩体制は現在でさえ米国を中心とする同盟軍に攻撃を受けるという被害妄想を軸にして国策と軍事戦略を考えているパラノイアな体制である。日本が北朝鮮を直接攻撃可能なミサイルや核兵器を準備可能な法律・体制に動いたとなれば、それを恐れるだけでなく配備される前に叩こうとする『立場逆転の賭けの発想』が出やすい。

北朝鮮のトップや独裁体制、人民結集に何らかの変化が起こらない限り、軍事力の比較優位の競争で勝つだけでは決定的な押さえ込みは難しいが、『ポスト核武装』の北の構想や狙いというものによって日米韓が取るべき外交戦略は変わらざるを得ない。核の放棄を目指すにせよ、強硬策で戦争に打って出るのが最善とも断定できない。

潜在的な軍事力の優位による脅しで解決するなら、米国の脅しで解決していなければおかしいわけで、日本独自の国防軍や近代兵器強化があれば『米国の警告』以上の抑止力になるはずだと思い込むのはある種の根拠の弱い精神論である。日本の国防軍が米軍の周辺海域の展開・演習よりも強い威圧感を持つとも考えにくい。

○安倍首相の『地球儀を俯瞰する外交』、災害や戦乱で困窮している国に援助の手を遍く差し伸べる外交は立派だが、足元の国内の税と社会保障と格差に黄信号が点る今、海外援助額に一定の上限は必要かも。

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