○日本の正社員と非正社員の違いはメンバーシップ制(内部要員)か否かで採用後の能力の低さだけで非正規化は基本できない。正社員=無期雇用は経営が健全なら今も維持されている。
正社員として入社したのに、まさかの「バイト」降格…そんな人事はアリ?
犯罪などよほどの事情がなければ解雇・非正規化できないという「正規雇用の解雇規制」は、戦後日本の経済社会を「年功序列の終身雇用化・学校化・非競争化」する役割を果たして来た。1980年代まで、会社はいったん正社員で入社したら定年退職まで通えて、先輩後輩の年次序列のある学校のようなものだったからである。
今も受験競争や就活競争はあるが、昭和期の過熱した受験競争の背景にあったのは「経済社会の学校化」だ。いい学校に入っていい会社に入れば、そこを辞めない限り人生安泰の価値観は今もなくなったわけではないが、この価値は典型的な「メンバーシップ制(学校・会社の正規メンバーになるまでが重要)」に依拠していた。
20年ほど前まで、重厚長大産業や国・自治体・公共部門に巻き込まれれば、入ってみてダメでも居座れば食いっぱぐれはない大艦巨砲主義でいけた。現在は「エリート候補のハードワーク・要求されるハードルの高さ」「会社側の追い出しスキルの向上」によって、仕事・適応ができない人はメンタルをやられ自己退職しやすい。
また正社員の終身雇用は「会社に通勤し続ける限りは、経済生活・所得水準が概ね維持される形態」だが、転職スキル・時間・自由も求める現代人にとって必ずしも理想的な雇用形態といえない拘束の長さやストレスの強さなどのデメリットも目立ち、メンバーシップと汎用化スキルを巡る働き方や価値観は多様化している。
公務員も大企業社員も定年が65歳にまで引き上げられ、模範的なサラリーパーソンであれば、大卒者で「43年生」まである学校化した会社・役所・人間関係に在籍・適応し続ける必要がある。それが日本では最もオーソドックスな経済的処世でリスクも低いとされるが、現代人にとっては心理面でもハードルは高くなった。
○家計簿や老後設計の記事で、大人1人の食費の目安は月1.5~3万円程度とあったが、そこまで安く切り詰めるのは「外食・カフェ・お菓子類(アイスなど)」が抜きでないと難しい。複数人の家族の完全自炊ならともかく、1~2人で別の食事もあるなら平均的とまでいえないような…生鮮の肉など500円以上で量も少ない
1日2~3食を1000円までと考えると、あまり使わない日もあるので、平均すればギリギリ収まるかもしれないが、カフェ通いや肉食、数千円の外食をすればオーバーする。だが市政だよりなどにある一般の家計簿記事を見ると、食費・水道光熱費が異常に安い家は多い。田舎から米・野菜貰う、太陽光発電、風呂節約等の要因もあるかもしれない。
茶碗一杯で足りる大食いではない人でも1日1000円キープは厳しいから、毎回がっつり量をたくさん食べたりお菓子類も買い込んだりの体格の良い大食いの人だと、家族での完全自炊でも、1日1000円以上は使いそうには思う。世帯に家族3~4人いて3~5万円台の人もいるが、米・野菜はやはり実家・近所から無料で貰える家が多いようだ。