若年者~中年者の失業問題(無気力化)は深刻化している、 2017年の出生数は過去最少、現代人はなぜ子供をあまり産まないのか?

○EUの20代失業率は15~25%以上で少なくとも5人に1人が無職だが、日本の若年層も長期定着しない間歇的失業を含めれば20%に近い。若者も高齢者も「就職・金を巡る親族間トラブル」は増加傾向にある。

夫婦切られ、夫死亡・妻重傷 殺人未遂容疑で息子逮捕 (朝日新聞デジタル – 12月24日 http://mixi.at/ajKF2m8)

貧困・低所得の人や自身の労働意欲(社会適応性・稼ぐ力)がそこまで強くない人が、結婚・子育てに消極的な理由の一つは「子供の就職・自立が失敗した場合のリスク想定」もある。昭和60年代以前なら実家の権威や親子の上下関係で「子を追い出すか、子が逃げたくなる自立促進」も可能だったが、現代は事情が変わった。

現実問題として、何らかの理由で挫折するか無気力になるかして、働く気がない人を働かせる方法は、「本人をやる気にさせる・本人が働く必要あるいは面白さに気づく」か「無理やりに働かなくてはいけない状況に追い込む・暴力や人格否定で追い込みをかける」かだが、後者は関係性や気質によっては事件化するリスクがある。

長期の失業・無気力・ひきこもりで怒鳴り合うようなケースでは、「仕事以前の段階で順調な人生設計からの逸脱挫折」「家庭環境・親子間の問題」があったり「メンタルヘルス悪化・対人関係の孤立(横並びの友人関係の途絶)」があったりするので、脅し・嫌味の圧力で相手が折れて「分かりました」で解決する可能性は低い。

今後の超高齢化社会では、若者と高齢者、親と子供の間で「仕事・お金を巡るトラブル」や「誰が働いていて誰が働いていないか・誰が介護や医療などの経費をどのくらい負担するかの家族間トラブル」は増加する危険性がある。子・孫に対して生活水準・進学・モノなどどこまで支援すべきかで、家庭別の格差も拡大傾向にある。

現代では、単純なサービス業のバイトであっても、本人が前向きな意識で取り組む姿勢がないと勤まらない仕事が増えており、給料が安い仕事や内容が簡単な仕事だからといって、ぶすっとした表情で嫌々ながら職場に行きさえすれば良いという話でもない。モチベーションが低く表情の暗い者の仕事は減り、職場でも歓迎されない。

○現代人は「支援を受けてもギリギリのラインで無理に結婚・出産をしたくない本音」があるので、少子化対策効果は限定的になる。結婚も出産も責任を持って絶対にしたい動機付けが必要である。

2017年の出生数は過去最少 婚姻件数も5年連続で過去最少を更新 (BIGLOBEニュース http://mixi.at/ajIy1Pd 12月23日)

過去の婚姻・出産の多さは「結婚・出産をしないと過半の女性が自力では生きていけないという切実な基本条件」があったことを抜きにして考えることはできない。そこまで追い込まれれば、人は結婚や出産を「自明の人生設計の一部」として20代前半から考えて決断するしかなくなる。必要性と選択性の違いは大きい。

翻って現代では、「個人の幸福追求・セクシャリティー」と「結婚・出産の選択」を一致させたい人が大多数であり、かつての農村部のように男の家に嫁いで家の発展(子孫の継承)のために全てを捧げて尽くすことを「不可避な永久就職(そうするしかない)」と捉えるような結婚を、現代の若年層に求める事はどうしても無理だ。

「雇用・所得水準の経済の問題」「責任・覚悟を固める心理(人生設計)の問題」「フルタイムの正規雇用の長期適応」「好みの異性や条件を選り好みするこだわり(社会的バランス)の問題」「家族形成・出産育児に対する前向きなイメージや同調圧力」「どんな状態に一番幸せ・楽しさを感じるか価値観」との複合要因である。

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