飢えた女性をパロディにした不謹慎さはあるが鳥取市のキャラではなく鳥取城跡のキャラだと考えれば、『鳥取城のイメージ』が羽柴秀吉の兵糧攻め以外、一般に余り思い浮かばない影響もあるのではないか。 今回のニュースは一時的に公開を中止するだけで、かつ江さんのイラストそのものは採用を続けて、名前を変更するということのようだ。
名前が『かつ江』というのは『渇え(かつえ)』のアナロジーだが、存命の女性に同じ名前の方が多くいるので望ましくない。『鳥取城の戦国時代における歴史の悲劇を学ぶ目的』を掲げていれば、テーマ外れのキャラとまでは言えないが、渇え殺しは播磨三木城の兵糧攻めと並び豊臣秀吉の攻城戦の徹底的な無情さの事例かも。
現代の日本では、兵站を切断されて城内に閉じ込められる『兵糧攻めのリアリティ』はどこに行っても感じられないが、こういった歴史の悲劇やネガティブな側面のキャラクターを作るなら『歴史学習・歴史や人物の想像力の刺激といった目的』に適うものでなければならず、商業的意図や悪乗りが透けて見えるとバッシングされる。
そもそも『渇え(かつえ)・ひもじい』などの言葉が現代日本では死語化した。孤立した貧困者の餓死などレアケースを除き、日本人がイメージする飢餓の問題は『海外の貧困な途上国や難民の飢餓』に。近代日本にも総力戦・物資徴発による『飢餓・食糧不足』はあったが、戦国の兵糧攻めまで遡ると教科書的理解に留まる。