先進国で特定の民族や国家を一律に誹謗中傷・恫喝するヘイトスピーチが規制されるのは道理だが、世界レベルで『感情・暴力が優位の非寛容な排斥主義・民族主義・宗教思想』 が高ぶっていることには警戒も必要になってくるだろう。
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現在の世界情勢や国内状況、雇用・生活や自意識・関係性に大きな不満を抱く人が各地で増え、その一部は対話・人間性を拒否した者として暴動・テロ・侵略に走る。『理性・対話・寛容・個人主義』が『感情・暴力・非寛容・集団主義』で圧倒されないようにするにはどうすれば良いか。
広義にはグローバリズムや新自由主義、移民制度、欧米的な価値観・生き方とイスラム原理主義、国境線の曖昧化(EU的地域共同体)に反対する形で『同じ属性を持つ仲間を集めた暴力的かつ排他的な運動体』が結成される流れがある。そういったうねりは『現在の時代・経済・仕事・自意識に不満を持つ人』の負の感情で強まる。
日本のヘイトスピーチの多くは韓国(北朝鮮)・中国に向けられ、『現在の外交・軍事情勢・歴史認識に対する不満』や『在日韓国人に不公正な特権があるのではないか(日本人より在日が優遇)という疑義』が原動力だが、ヘイトスピーチは問題解決よりも暴力や不安・悪意や怨恨を煽って実際に暴走者や死傷者をだす恐れもある。
中国・韓国のヘイトスピーチや教育の偏向も問題であるが、日本と中韓の首脳が『内政干渉にこだわらない広義の歴史・教育の方向性』をすり合わせ、お互いを憎み嫌うような教育・広報を禁止して二度と戦争・侵略を起こさないようにするバランス感覚のある国民教育をする(自民族中心主義の緩和)の取り決めをすべきだろう。
中国共産党と戦後の朝鮮半島は、良くも悪くも戦中の大日本帝国に勝利したその支配から独立したという『民族主義の物語』をベースにした国民教育を行ってきたが、その民族主義と反日感情が過剰になってしまった。
日本が経済大国として中韓より圧倒的優位だった時代も終わったことで、一方的に中韓に対して寛容な外交や国民意識の形成を維持することは困難になった。今までの禍根や対立に執着せずに、胸襟を開いてフラットな外交の立て直しをする段階に入ったとも言えるが、日中韓が『対等なスタンスに立ったオープンな外交』をする条件を整えるのはなかなか骨が折れることである。