前大戦の『謝罪・反省・賠償』はそれぞれ異なるが、未来志向の本質は『戦前日本が犯した過ち=自民族の優越+外敵作りのガス抜き+武力による権益確保』について日中韓が共通認識を持ち同じ轍を踏まぬようにするということにあるのではないかと思う。。
戦前の日本が行った『韓国併合・満州事変・日中戦争』の過ちを認め謝罪することはやぶさかではない。但し、戦争当事者の多くが鬼籍に入り、特に昭和天皇はじめ戦争指導者の殆どがいなくなった現代では、『歴史に学び繰り返さない為の謝罪・平和主義』はあっても『賠償+子孫世代の負い目の謝罪』の必要は薄れた区別もある。
中国や韓国の政府・人々に日本が訴えかけるべきは『過去の日本国が力による支配という過ちを犯したことは認めて謝罪し繰り返さない』が、『現在の世代の日本人に直接的な負い目・責任があるわけではない+戦後日本は平和憲法の下で専守防衛に徹してきた+民族憎悪を煽るだけの教育や宣伝は相互に慎む』等だろう。
国の歴史教育に干渉するのは主権侵害という向きもあるが、近年は先進国でヘイトスピーチが非合法化されているように、未来志向の関係性の基盤に『過去の歴史的怨恨を当時者ではない現代の人々に投影し刷込みしないこと(直接の交流・対話の機会を増やし偏見を減らすこと)』があり、教育も未来志向・平和主義で相互に調整する必要はあるのだろう。
『過去の日本が軍事的に中国・朝鮮半島を侵略・併合した歴史』と『現代の日本・日本人も過去の日本と同じ価値観や軍事的野心を持っているかのような思い込み』は違うという説得的ニュアンスや根拠を反省に盛り込み、日本が如何に過去の戦争に学びそれを繰り返さない仕組み・教育・精神性を作り上げてきたかを伝えたい。
過去の歴史的悲劇の背景には、一足早く近代化に成功した日本が日本人よりも朝鮮人・中国人・南国人を軍事力・文明度で劣る格下の民族と見なす自民族優位主義があったがこれは脱亜入欧・帝国主義の副産物でもあった。経済・軍事が成長し続ける中国には過去の富国強兵で調子に乗った日本の歴史を反面教師にできる部分もある。
力を持った国や国民は、経済力・軍事力・教育水準で劣るとみなした民族を侮りやすいが、絶対的国防圏を掲げ引かなかった大日本帝国がそうであったように、核心的利益を譲らない中国も『非難する日本の歴史と同じ轍』を踏むのではとの懸念を日本人は持つ。力を持てば図に乗る人間の業のような心情を率直に語り合いたい。