『妻が見送りしてくれなかった・もっと妻に構って欲しかった・パワハラで苦悩していた』で自宅に放火した父親の心理

「妻が見送りにこなかった」 大分の火災で容疑者供述

養っている妻子を自分の所有物のように認識し、自分の労働への感謝として『妻の献身・子の従属』を義務的に求める悪しき家父長制の残滓を感じさせる放火事件。家族を守ると支配するを混同した怒り。

妻が見送りに来なかったという理由で放火したというが、根底に『精神を壊してまで働いているのに十分に感謝・尊敬をされていないという被害者意識』や『家族の為に無理して働いているのにその見返りが不十分という不条理感』があり仕事・心理の不調に夫婦関係の冷込みと人生の苦難の責任転嫁が重なったのではないか。

『見送り・出迎え・弁当作り(食事の支度)』などを分かりやすい女性の愛情表現として受け取る男性は多いといえば多いが、それを『妻の義務』として認識し、しないと激怒・罵倒するタイプは『性別役割規範に基づく夫婦関係』から離れた時に、思い通りにならない相手・状況に対して暴力的な逸脱や異常な混乱を起こしやすい。

常識的には、見送りをしなかったとか相手の気持ちが冷え込んできたとかいう淋しい状況があったとしても、家族が死ぬ可能性を織り込んで全て燃やしてしまうといった『暴力的な衝動性・破壊願望』に流される事は有り得ない。被害妄想・依存心などで、思い通りにならない相手に思い知らせようとする逸脱が常軌を逸する事はある。

過剰な依存や愛情剥奪の過去(愛情不足・見捨てられのトラウマ)を持つ人が家族を作った時に、配偶者に対し『いつも自分のことを気にかけていることを分かりやすい行動で示して欲しい』といった幼児退行的な依存心や執着心が生じる事がある。病的水準になると自分をちやほやする応対がないだけで強い不満・怒りに支配される。

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男性は愛情・癒し・性を与えてくれる広義の母性代理としての女性を必要とする本能が強いが、女性は『子供・経済力』があれば性・愛情の面で男性を強く求めるほどではない人も結構多いのでは。

無論、異性として惚れに惚れたロマンティック・ラブを体験し結婚するような女性もいるので人それぞれだが、一定の年齢になると『女性の精神的自立性・性欲からの離脱度』は平均的には男性よりも上である事が多い。日常的に『異性からの世話・ケア・愛情・性』を求めなくても女性と子供だけで楽しくやっていける女性も多い。

好きな相手を排他的・法的に独占したい欲求は、結婚の直接的なモチベーションになり得るが、『相手の人間性・身体性そのものへの欲求』と『相手と共に生きる人生の豊かさ・安定度への欲求』といったものを完全に分離することは難しい。後者の生活のモチベーションに傾けば『相手の交換可能性』で婚期は後ろ倒しとなる。

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