高校生はなぜ“キス動画”を“リア充の証”のように感じてアップしてしまうのか?

子供の恋愛は『二人だけの閉じた関係で得られる快楽・喜びの量』は意外に小さい。相手だけがいれば幸せではなく、見栄えのする異性と戯れる幸せな自分を友人知人に見てもらいたい承認・自己顕示とその拡張が影響する。

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『相互の内面・対話・生き方の魅力』を味わう恋愛は、双方の人間性や世界観の一定の成熟が要求される。中高生では見栄えの良さ(イケメン・可愛い)やノリがメインの恋愛が多く『自慢の彼氏彼女(自分にのめり込む相手)を見せたい』という『相手との付き合いの外にある承認欲・リア充自慢』がキス動画投稿の動機にもなる。

ロマンティックラブは『二者の閉じた秘密の関係』だけで欲求が満たされるのではなく『他者にとっても魅力的に映ると推測する相手を自分だけのものにしたという所有妄想』によって満足度が高まる向きもある。未成熟な自我自尊と所有妄想(幸せの確信行為)の拡張が、現代の若者の一部をネット投稿へと掻き立てるのかも。

ロマンティックラブは厳密には『閉じた二者関係のロマンス幻想』ではなく『ギャラリーのいる社会を舞台とした共同幻想的なロマンス幻想』である。『相手だけを見つめる日常性・生活』からはロマンスとエロスは雲散霧消してしまいやすい。映画・ドラマを通して見る男女の色恋やスキンシップも共同幻想性のイデア的投影だろう。

元恋人によるリベンジポルノ、写真含む個人情報をウェブに公開しないメディアリテラシーは学校教育でも教えられている内容だが、『恋愛を通した幸せの実感』が他者を巻き込まないと十分に得られない“感性の未熟さ・幻想解体の不安”が、『本当は恋からもっと幸福・快感を感じられるはずなのに』という物足りなさも生む。

キス動画などの一部の若いカップルの『ネット投稿』は、不特定多数の閲覧者からの関心・羨望(嫉妬)・承認などの内面の予測を織り込んだ『幸せ確信の材料』として欲望されるものだが、何をしていても自分の未来や幸福の保証が弱いように感じる『時代の不透明感・頑張るべき方向性の曖昧さ』も影響しているのかも。

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