山梨県の80代夫婦殺害事件で孫の18歳少年を逮捕

殺人の約半数は親族間で行われるが、それだけ接触・干渉の頻度が多く、反りが合わない時の利害や価値観の対立が強い。虐待・喧嘩・抑圧等で親子間や配偶者間の事件は多いが、孫が祖父母を殺す事件は珍しい。

<山梨80代夫婦殺害>孫の18歳少年を逮捕 山梨県警

現代日本における祖父母の定型イメージは『孫の溺愛・甘やかしの役・何でも買ってあげる(経済的余裕)』だが、現在進行形で高齢者の貧困問題も起こっていて、それほど型にはまった『孫に無害・甘い祖父母だけ(厳しさや意地悪がなく恨まれたり嫌われたりの可能性がない)』かというとそうではないのかもしれない。

親族間殺人の直観的な悪の解釈の難しさは、大多数が『自分自身の親・子・祖父母との関係性や記憶』をフレームワーク(事件構造・動機の参照枠)にしながらその善悪や動機への共感度を考えてしまう事かもしれない。『親・祖父母から愛され大切に育てられた人』とそうではない人(親族が嫌いな人)では自ずから印象も変わる。

『祖父母に殆ど悪印象のない人(日本の多数派だろう)』だと、祖父母は概ね慈愛や援助者のイメージになりやすく、どうしてあんなに優しく利己心のない孫の為なら何でもしてくれる祖父母を殺す孫等がいるのだろうかと反射的に思いがちだが、世の中には自分の体験・社会の平均・精神の正常の範疇から外れるケースもある。

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