思い通りにならぬものの代表が“他者・お金”だが、結婚は『配偶者という他者・生活と人生設計のカネ(仕事)』とリアルに向き合う日常とその変化である。『相互の期待・依存と価値観・行為のバランス』が崩れれば苦悩が生じる。
しくじり婚が3割も!? 30代女子の5割が1年目で結婚を後悔って…
結婚を選択と捉え自己責任を感じるなら、約3割が『しくじり婚』だと思っても不思議ではない。『別の相手も選べたはず・相手が強く押してきたからOKしただけ』等の選択肢のあった過去に意識が逆行できるからだが、反対に結婚を義務・人生を運命と捉える人は『その道以外はなくこうなるべくしてなった』と考え後悔もない。
30代女子で結婚を後悔したという人の多くは、『受動的に選択しただけの結婚』というある種の精神的な逃げ場、夫側の責任の相対的重さを準備していたとも言える。『相手のせいで自分の人生・結婚が狂った』と言える為には、『相手の圧倒的な落ち度・ウソ』か『自分の大幅な受身・譲歩』かの前提が要るからである。
結婚生活とは修行だという益体もないフレーズもあるが『変わらず愛され続ける人生』や『結婚前よりも面白くて楽しい生活や育児』を結婚に期待しても、よほどの幸運(あるいは婚前の極度の悪条件)に恵まれた人か、二人の生き方の相性抜群で楽観的に物事に対処できる人(苦労を苦労と思わない生活向き)でないと無理なのだ。
30代といわず現在の50?60代以上の女性でも『結婚の後悔・配偶者への恨み節』は結構聞くが、それでその娘世代の結婚観がネガティブになり晩婚化・未婚化が煽られる面もあるかと思うが、30代前後の親世代にも幸福な納得のいく結婚をした人は少ない。上の世代も結婚させられた・してやったの意識だと不満鬱積となる。
『相手のせいで人生設計が狂った・結婚生活がつまらない』というのは、結婚前よりも結婚後の生活の方が貧しくなったとか大切にされなくなった、人間関係が狭くなったとかいう『広義のハイパーガミー・受身な女性の生き方の挫折』である。幸せにしたいと思えるような人を選べの道徳訓が相互的に通じているかどうかも鍵だが。
女性は一度した約束や裏切りをずっと覚えていることが多く、結婚前や直後に男性がした『自分の理想的な結婚生活を実現してくれるような約束・ビジョン』などを覚えていて、それがいつの間にか反故にされ人間性・価値観も変わってしまったように感じる時には、『事後的な幻滅・評価下落・後悔』は避けがたいだろう。
結婚の選択は、男も女も平等ではないか、今は女性もずっと働く時代ではないかの言い分もあるし、その言い分が通用するキャリア・思想の女性もいるが、現代でも『女性の方が多くのものを捨てたり断念したりして結婚・出産する感覚』は残っており、関係・生活が悪くなると断念したものへの埋合せを無意識に求めて後悔する。
客観的には女性だけでなく男性側にも結婚・子供を持つにあたって『捨てたもの・断念したもの・やめたこと』などあるはずだが、『犯罪・暴力(DV)・不倫・モラハラ・浪費と借金・生活費を入れない・家庭放置』など明らかな落ち度がないにも関わらず、一方的に自分だけ被害者と思っているような場合はフェアではないが。