スクールカーストと擬似的な身分・立場の発生:スクールカーストがいじめと結びつきやすいのはどんな学校・クラスか?

スクールカースト的な閉鎖集団内の階層は今も昔もあるが『地位の可視化・他者への干渉』は集団毎に異なる。近代の学校・軍隊・工場の規律訓練システムは、自分と他者の立場の違いや居場所確保に過敏な人を生む。

「同調力」が教室でモノをいう…イジメの起因ともなる“スクールカースト”の構造

スクールカーストは集団内での影響力・地位の差(上下)を可視化させたものだが、こういったいじめ・供犠が発生しやすい集団は『個人の自立度・自由度が低い統制的特徴』を持つ。それぞれが自分の目標達成や能力向上を目指し、必要に応じ協力するような集団ではカーストの弊害は生じずマウンティング型の政治も抑制される。

個人行動が許される場面が少なく絶えず一緒にいなければいけない集団、常にお互いの力関係(上下)やイメージ(キャラ的役割)に配慮したコミュニケーションが求められる環境、自分がその一員である帰属感の強い自由に抜けにくい集団では、『異質な者・空気を読まない者・上下の秩序を乱す者』は差別・排除されやすい。

スクールカーストは『対人的な影響力の個人差』によって作られる擬似的な身分・立場の違いのようなものであり、『集団生活への適応性』や『クラス集団の注意や関心の対象(良い意味でも悪い意味でも集団が関心を持って干渉する対象)』とも深く関わっている。

固定的メンバーで構成される集団に所属する限りは、『すべてのメンバーが完全に平等な集団』というのはまず有り得ず、『その力関係・影響力の差』が可視化されない平和な集団もあるものの、集団への適応度や楽しめる度合いによって『擬似身分的な個人差・自意識』が生まれてくるのは半ば不可避といったところがある。

スクールカーストの下位に位置することによって、いじめの問題が生じるという学校・クラスは、その構成員になっているメンバーが『個人主義的な自分なりの目標・活動』を持っていないことの現れでもある。

それぞれの個人が自分なりにやりたいということがあまりないので、『娯楽的ないじめ』が煽られやすくなり、集団単位の善悪の分別や思いやりの良心が麻痺してしまうリスクがあるわけである。

そして、これは各人が自分の学業・部活・趣味に励んでいることの多い『トップクラスの進学校』にいじめが少ない(他人にネガティブな形でしつこく干渉しようとする無駄な時間を過ごす生徒が少ない)一因でもあるだろう。

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