答弁しづらい状況で病気になる政治家は多いが「睡眠障害」は各種の眠れない症状群であって「正式な精神疾患名」ではない。眠れないと訴え睡眠薬が処方された状態で、精神病と異なり回復しやすい。
甘利明氏がここで「うつ病・パニック障害・適応障害」など具体的な精神疾患名を上げて議会を休むと、再登院した時に「そんなにすぐに精神疾患が治るのか・うつ病は難治だが元気で思考力も保たれているのはおかしい』との詐病疑惑を受けやすいが、睡眠障害なら一過性のストレス反応が投薬治療で治ったに整合性が成り立つ。
甘利氏はこの収賄疑惑で議員人生を退くわけではなく、安倍政権が参院選後にも継続する可能性は高い。『スキャンダル収束後の次の入閣機会』を伺って暫くは雌伏しなければならず、迂闊な答弁をして自分の責任を重くしないためにも、ストレス性の回復しやすい睡眠障害は暫時の診断名として手練な選択ではある。
現時点では国会招致に応じられない健康状態であるが、数ヵ月後以降なら完全に回復して再び国会に通えるようになるという病態像の選択は簡単なようでかなり難しい。安倍首相も「特定疾患の潰瘍性大腸炎」の病状が短期間で完治に近いほど回復したことに疑念を寄せる向きもあり、具体的病名は明言しないほうが良い。
甘利氏の秘書が直接的な金品要求をしている場面を録音されてしまったことで言い逃れが困難になってきたが、URと建設会社の補償交渉における「レクサスの要求」など話が大きいのか小さいのかという感じだが、昔ながらの仲介的な口利きや半強制の要求は「(その人がいうなら仕方ない)顔を立てる権力作用の原型」ではある。
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