ローソン店内の悪ふざけに限らず、インターネットの文章・写真の投稿では『社会全体に公開しているという意識』が必要。

コンビニチェーンの『ローソン』の店内でアイスクリームを販売する冷蔵ケースの中に従業員(22)が入って寝転がる様子を撮影した写真がFacebookに投稿され、『不衛生ではないかという指摘・クレーム』を受けて、本社が高知県高知市にある高知鴨部店とのフランチャイズ契約を打ち切ったというニュース。

コンビニ店員がアイスの冷蔵ケース内で寝転ぶ写真、Facebookに ローソンが謝罪、FC契約解除

従業員が経営責任のあるオーナーの親族であったことから、全国的な価値を持つローソンブランド(特に食品を取り扱う商売をする上での衛生管理・清潔なイメージ・そのための従業員教育)を毀損する悪質な契約違反行為であると本社が判断し、『冷蔵ケースの廃棄・親族の従業員の解雇・フランチャイズ契約の破棄』という厳しい措置が取られた。

全国展開するチェーン店で働いているアルバイトの若者(学生)が、そのブランド価値を毀損するような悪ふざけや迷惑行為をして、その現場を撮影した写真・動画をSNSやブログなどで面白半分で投稿した結果、SNS(ブログ)が激しく炎上して本社にまで苦情が入りリアルでの制裁・処分を受けるという事例は過去にも何件か起きている。

チェーン店や仕事中の調子に乗った悪ふざけに限らず、若年層を中心にして『現実社会では許されないことだが、仲間内だけであれば看過されやすい悪事(悪ふざけ)』をウェブに投稿して大騒ぎになった事件は多い。また、若者だけではなく、現職の岩手県議会議員(故人)が、自分を順番待ちのための整理番号で呼ばれたことに『ここは刑務所か』と激昂して医療費を踏み倒す『病院でのモンスタークレーマーぶり』を自己顕示的にブログに書き付けて炎上したような事例もあった。

インターネット上に自分の文章や写真、動画を投稿する前にもっとも考えなければならないことは、『その内容は誰に読まれても法的・道徳的な問題がない内容になっているか(警察・先生・親・店長・上司などに読まれても大丈夫な内容か)』『犯罪行為や迷惑行為、マナー違反を自慢するような口調で書いていないか』ということである。

インターネットはあらゆる年齢層・社会的立場・価値観(倫理観)の人が見ている場であり、SNSやツイッター、ブログなどにリアルの自分と紐付けられるような文章・写真を投稿するということは、『社会全体=不特定多数の人たちに向けての公開』に等しい行為なのである。

いくら公開範囲を、『リアルの友人』だけに限定していても、その友人の中に『こんな非常識な迷惑行為・犯罪のような振る舞いは許されない』という反感を持つ人がいれば、外部にその記事がコピペされたり道徳的非難が呼びかけられたりする可能性も十分にある。『ごく限られた人だけにしか知らせないような公開』は、信頼できる相手との1対1のメールやLINEでもない限りは難しいのである。いったんウェブ上に公開すれば、ゴシップ・炎上騒動のネタが好きな層に嗅ぎつけられてリアルの生活にまで影響が及ぶことがあるという事実を十分に認識してウェブを使うべきなのである。

リアルとウェブが結び付けられる投稿に関しては、基本的に法律と道徳、常識に基づく『正論原理主義』によってその行為が判断されるという前提を、小学生くらいの段階からしっかりと知っておかなければならない。ウェブのほうが実際の自分より口が悪くなったり他人に対して攻撃的になったりする人もいるようだが、『社会全体に対しての公開性(誰からでもアクセスされて意見を書き込まれる可能性)』を有するウェブであればこそ、匿名で書き込んでいるとしても『リアル以上の法律・道徳・常識の最低ラインを踏まえた書き込みの姿勢』が求められる。

『暴力行為(傷害・いじめ)・強盗や窃盗・器物損壊・威力業務妨害(殺害やテロの予告)』など明らかな犯罪行為を自慢するような投稿をしていれば、IPアドレス情報をプロバイダーに照会した警察が直接あなたの家に訪問してくる可能性さえ否定できない。警察が介入するような犯罪行為ではなくても、会社員や公務員であれば『社会人・組織人としての信頼失墜行為』の責任を追及されることによって、依願退職に追い込まれるようなペナルティが科される恐れもあるのだから、『リアルでこの事実や行為を公開しても問題がないだろうか』というセルフチェックをしてから投稿するようにしたい。

だからこそ、『現実社会でおおやけに言えないような悪事・迷惑・マナー違反』をまるで自分が凄いことや面白いことでもしているかのように錯覚して投稿するのは『自分の人生のため(実名とひもづけられたウェブ上の不祥事の履歴はずっと消せないのだから)』にもやめるべきなのである。

ウェブ上の暴言・悪口・憎悪・自己顕示欲やそれがエスカレートした犯罪となる名誉毀損・誹謗中傷は、『自分自身の不利益』となってはねかえってくるリスクを孕んでいるものだからこそ、『ウェブ上での自己像の確立』に関しては『リアル以上に善良・誠実・丁寧な外観を呈すること』が要請されるとも言える。

それを逆にしてしまっている人(リアルよりもネットのほうが攻撃的・悪意的で人間性に問題があるように見えるような言動をする)というのは、『ネットリテラシーの欠如』なのだが、例えば一人称を『俺から私(僕)』にしたり、文章の語尾を『です・ますの敬体』に変えるだけでも、随分と自己像(文章の感じ)が柔らかくて親しみやすい丁寧な印象になる。

攻撃的な言葉がついエスカレートして他人を傷つけがちであったり(法的リスクが生じかねなかったり)、悪ふざけ(調子に乗る気持ち)や自己顕示欲が肥大してリアルに支障を及ぼしかねない情報を公開しそうというような人は、自分の投稿している文章・写真・動画が『社会全体(自分が見られたくないと思っているような相手)』にいつ閲覧されるか分からない仕組みを備えているのがネットだということを再確認してもらいたいと思う。

もちろん、ウェブに公開しなければ、リアルで悪いこと(迷惑なこと)をして仲間内で悪事自慢・度胸競争をし合っても良いということでは当然ないし、『客観的に第三者から見て悪いこと(すべきではないこと)と思われるようなこと=それを知られたら法的・立場的にまずいことになる相手(警察とか先生とか上司とか)がいるような行為』は初めからやめておいたほうが無難なのである。