消防士が先輩に殴られて骨折・虐待行為も:男同士の閉鎖的・密着的な人間関係がある職場の暴力問題

男同士の密着的な人間関係というかヒエラルキーのある先輩後輩の区別の強い職場では、暴力を伴うホモソーシャルの問題が起こりやすい。10~30代の男の同性社会では人格の平等・尊重が成り立ちにくい。

消防士、先輩に殴られ骨折 腕にたばこ?の痕も 東大阪

消防士・軍人・警察官等では、閉鎖的な共同体性や上下関係を前提に『協働義務・集団訓練』があることで、更に下位者に上位者が『一般社会では容認されない暴力・暴言を教育指導やしつけの名目で振るいやすくなるマウンティングの下地』ができやすく、その人の本来の人間性や集団力学への迎合性が表面化しやすい。

広義に捉えれば、人間の持つ『動物的な暴力性・支配性』の根源にあるものとして、『共同体内部におけるヒエラルキー構造の順位づけとその順位序列の暴力・暴言・虐待による確認』と考えることもできる。北朝鮮や旧ソ連の内紛・粛清もその類だが、ミクロでは『家庭内部のDV・モラハラ・虐待』も心理構造に共通性はある。

他者を自分と同等の人格・感情・尊厳を持つものとして尊重する姿勢は、「共同体内部の上下関係がない環境・他人」であれば、暴行を働いた先輩二人も持っていたはずだが、いったん「身内・内輪の下位者」になると暴力暴言を振るっても構わない人権のない相手のように扱ってしまう、こういった心理は誰しもその萌芽を持つ。

DVやモラハラでは、他人には優しくて外面は良いのに、配偶者や子供には非常識な暴言・暴力を振るいまくるパーソナリティーの人は少なくないが、恐らくこの消防士の二人にしても対外的には『志の高い立派な消防士』のようにきちんと節度を守った振る舞いをしていたはずだ。身内の下位者・地位や役割への甘えがそこにある。

自分たちさえ良ければよいという内輪だけを優先して大切にする「身内贔屓・利権構造」がある一方で、赤の他人や外部に対しては必要以上に礼儀正しくて腰が低いのに身内・内輪の下位者には当たり散らして暴力を振るう「DV・モラハラ・職場内虐待」の問題もあるのは、「人間の内と外に対する心の二面性」として興味深い。

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