30~34歳の離婚率の高さは『方向転換のしやすさ・問題改善の見込みの低さ』の要因があるが、『生活費を渡さない』等で家庭生活の維持ができなくなるケースも増えている。
日本で一番離婚率が高いのは30~34歳の女性 統計から読み解く、アラサーで夫を見切る背景
なぜ生活費を渡さなくなるのかの理由にも拠るが、現代では昔の結婚のように夫が一人だけで扶養している家庭は少なく、個人差はあるが給料全額を妻にそのまま通帳で渡すような夫ばかりではなくなっていて、過去と比べると『夫の収入の安定度』が落ちた所はある。離婚事例では、結婚生活の途中で働く意欲を喪失した人もいる。
『女性の経済的自立+家庭生活の不満や相手のストレス』も『家計の貧困化(家計に入れる金額の減少・断絶)+収入増加の意欲・努力の低さ』も離婚のリスクを高めるが、よほど家事育児ができる夫と妻が正社員並みに稼げる人の組み合わせでなければ、夫の収入が断絶して回復しなければやむなく離婚に進みやすいだろう。
離婚件数の中で割合が多いのは『結婚後5年以内の早い離婚』と『定年退職・年金分割を基準とした遅い離婚(熟年離婚)』であるが、後者は形式的には結婚しているが家庭内別居(会話・興味なし)や相互不干渉(険悪レベルの不仲)で離婚同様の状態が長く続いていて、年金額の目処が立ってから離婚するケースが多い。
今、熟年離婚している年齢の夫婦は、妻が専業主婦かパートの人が多く、妻は3号被保険者の基礎年金部分しかないため夫の厚生年金・共済年金の分割を待たなければ、老後に生活できるだけの年金額が確保できないからだ。今後は特別配偶者控除に続き3号の受給資格も廃止される可能性があり、熟年離婚より早い離婚が増えやすいか。
それ以前に年金受給開始年齢が65歳から68歳に引き上げられるのが既定路線で、自民党で次世代の有力議員である小泉進次郎氏の社会保障改革案では74歳までは高齢者ではなく現役世代にしようというスローガンもあるので、70歳以上の支給になる可能性は十分ある。年金制度の変更も婚姻離婚に一定の影響を与えるだろう。