『不機嫌な果実』のテレビドラマは、不倫の泥沼系のテーマだが、栗山千明と稲垣吾郎の経済的には裕福だが情緒的官能的な交流のない子なしの夫婦生活は一つのテンプレではある。そもそも、結婚制度は個人の幸福追求や官能性が目的ではないので、結婚すれば異性愛・承認欲求の面で常に満たされて楽しめるわけでは当然ない。
普段は興味も会話もないのに、妻が不倫すると途端に執着に走る稲垣の役所もありがちで、男性心理として『女としての妻に興味がなくても、独占欲の対象としての妻には未練が残る(第三者の男の影がちらつくと途端に気になって怒りが沸いてくる)』というのは珍しいものではない。
『釣った魚に餌をやらない・妻を女(夫を男)として見れなくなる・子育て以外の共有や共感が減る』は、カップル文化が定着していない生活の互助がメインの日本の結婚制度では珍しいものではないが、栗山千明のようなポジション・属性・夫との冷え切った関係で周囲に魅力的な男が次々出れば、不倫の誘惑度は高くはなるか。
『子供がいなくてお金はある状況(働かなくても良い状況)+愛されている(自分が必要とされる)実感や交流のない関係』で、平均以上に目立つ美貌や格好良さを持つ配偶者を冷たく扱って無関心に放置している状況なら、浮気のリスクは高くなる。ドラマの稲垣は敢えて相手の気持ちを引き離す面白みのない嫌な性格の役だが。
日本の婚姻制度の疲弊は、セックスレス文化に根ざした不倫・浮気として描かれるのがパターン化してるが、昔から欧米的なカップル文化・夫婦間恋愛の浸透がなく『子供中心の家庭観・親子観・家庭からの官能的要素の排除(バーチャルや外部への委託)』になりがちではある。栗山千明と橋本マナミの濡れ場は確かに多いw
女優のスキンケアは流石だが色気とはまた別かも。成宮寛貴はホテルにバラを敷き詰め栗山と浮気するキザなチャラ男を定番イメージで演じるが、既婚者と思しき成宮は精神的にも時間的にもフリーすぎるのでは。市原隼人のほうが浮気の本命になってくるようなあらすじだが、芸能や創作とは妄想・幻想の楽しみを売る世界だな。