福岡県筑後市のリサイクル店の監禁殺人事件:家族や事業の閉鎖環境における暴力的支配のリスク

閉鎖的な家庭内(個人事業内)の支配関係が監禁・金目当ての殺人まで発展した事件。閉鎖環境で誰も意見できない権力者を容認するとその人物は概ね腐敗して構成員を虐待・酷使する暴君になりやすい。

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『家庭・学校・小事業・寮生活(警察・軍隊)』では、外部と区切られた閉鎖集団内だけで大きな権力と発言力を握る人物がでて、権力を悪用して『DV・いじめ・監禁・恐喝や強要など犯罪』を行う事がある。第三者が介入しづらく外部の常識や情報が遮断される事で、『内部だけの異常な価値観・習慣・暴力』で洗脳されやすい。

筑後のリサイクル会社の事件は、夫婦が知り合うきっかけは風俗業だったようだが、夫が頭を下げて結婚してほしいと頼み込み言いなりになった事から、当初からサディスティックな妻の優位性が確立したとされる。個人事業が上手くいかず、住み込みの従業員をストレス解消の道具にして罵倒・虐待、最後は保険金をかけ殺害した。

ヤクザが運営に関与した土木建築・飲食などの小さな会社で、従業員に高額保険金をかけ殺害した事件、やめたいという従業員を監禁し集団リンチして殺害した事件は過去にも類例がある。妻が主導権を握り夫婦で監禁殺人・保険金詐取をした事件は珍しいが、林真須美夫妻のシロアリ駆除会社も類似の保険金犯罪に手を染めていた。

個人運営の小さな会社のすべてが悪いわけでは当然なく、アットホームな配慮のある経営者もたくさんいる。だが小規模な会社ほど経営者の人間性や道徳性が直接的に反映されやすく、従業員の待遇にも関わってくるので、特に入寮(住み込み)などの条件がある場合には、経営者とその家族の人となりには十分注意しておくべき。

こういった厳しい支配(虐待・暴力含む)のある異常な雇用関係を前提とした事件の被害者になってしまう方は、『逃げ場のない人・簡単には仕事をやめられない人』であることが多く、サイコパスな加害者は応募者の境遇や足元を見て『どんな人物ならいいなりになるか・逃げられないか』を経験的に知っているからタチが悪い。

従業員ではなく中尾知佐被告も、多くの男性経験を踏まえ『どんな男なら自分の言いなりになるか・自分から逃げずに全力で仕えてくれるか』を知り尽くした上で、必死に自分と結婚したいと頭を下げるこの男を配偶者に選んだ節がある。生活ぶりが豊かでないことでこの夫も日常的に嘘つきだと散々罵倒されバカにされていたらしいが…。

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