生命の進化史や恒星の寿命から人類滅亡はいつか起こるが、人の知性は地震・竜巻どころか経済・金融さえ長期予測はできない。『種の寿命』より『個の命』は短く脆い、人類の運命も地球史も誰も確認できないという冷厳な現実がそこにある。
超長期的なスパンで人類や自然や地球の行く末や来し方を、知的な現代人は様々な資料・理論を元にシミュレーションし想像する。地球史は約46億年、人類史は約400万年とか『神の目線・無限の時間軸』で見てきたかのように語れる。だが文字文化で証される知性の歴史は精々3000年…石器時代の人の意識も闇の中なのだ。
科学を武器にヒトの知性は『無限の時間』を持つかのように数億年以上の時間軸を未来と過去に向かって必死に照らす。知のサーチライトが照射できる範囲は限定的で、99%以上は何が何だか分からない暗闇、知りたい時空・物質に対しヒトの命は脆弱に過ぎる…根本的な世界の真実は恐らく永遠に分からないだろう。
宇宙科学のビッグバンや超ひも理論(超弦理論)、ブラックホール、暗黒物質、多次元理論、星の誕生と死のプロセスにせよ、人の演繹的・帰納的な推論を含んだもので、現実の宇宙や物質を観察した理論ではない。人類滅亡は死・滅亡を知る人類にのみ意味を持つが、認識主体が消えた誰も言及しない地球・生物とは何なのだろう。
宇宙科学・進化論・生命史というのは真剣に“本当のところ”を知りたいと思えば、人の知力の限界に直面して狂気的なものにならざるを得ないが、過去に生きた人も今を生きる人も『何が何だか分からないまま人生を終える』しかないが、『納得できる国・社会・関係・心のレベルの物語』を人は生きる事ができる。
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