消費増税の低所得者対策で約2000万人に1万5千円を定額給付, 相模原殺人事件:ヒトラーの優生思想を語る容疑者

○消費増税の低所得者対策の簡素な給付措置だが、住民税非課税は生活保護でなければ世帯の人数でも変わるが『年収100万以下(給与控除後30~40万)』くらいで労働所得者の大半が貰えないものになる。

低所得者2千万人に1万5千円給付方針 政府の経済対策

住民税は所得の約10%の直接税で、自営業・自由業は特にだが庶民にとって消費税以上にかなりきつい税金(滞納率も高い)だ。住民税を支払えるなら『給付措置・減税措置が不要な水準』という考えはバランスを欠くかも。住民税非課税だと国民健康保険・高額療養費の減額措置もあるが仮に年収150万だとその措置もない。

恐らく自己負担感が強いレンジは年収200~500万円台で、自営だと住民税は数十万以上の金額になり、その何倍かの国民健康保険の負担もある(年収500万以上だと月5万を超えMAXに近づく)ので、額面でまずまずの収入があっても手取りは少ない。予算から全員に定額給付するBI型給付は採用できないとは思うが。

給与所得・事業所得で考えると月5万円は少額(週2のバイトでも稼げる額)だが、約2200万人の低所得者(年金生活者・アルバイト・生活保護など)に1万5千円を給付するだけで約3700億円もかかるのは、税源に依拠する救貧対策の難しさも示す。5万、10万くらいとも思うが、全員に無償で配ると大変な金額になる。

○ヒトラーの思想の亡霊が降りた殺人者もいれば、大日本帝国の幻影、イスラムとキリストの対立、中華思想、移民と英国の栄光ある孤立、米国のモンロー主義・黒人差別など古き悪きものが墓場から目覚める昨今だ。

<相模原殺傷>容疑者「ヒトラーの思想が降りてきた」

相模原の障害者殺害事件は、個人の怨恨と妄想、挫折が絡み、障害者排除の思想に逃げた特殊な事件だが、人間の精神構造の古層というか集合無意識的な観念に『他者・異端(異質性)の排除=敵探し』のような動物的本能は恐らくある。個人・集団が閉塞して自浄できなくなると、眠っていた古層の暴力性や排除性が表出してきた。

ナチスのT4作戦やヒトラーの優生思想など既に『人類史上の最大の罪・過ち』として否定されている思想にのめり込んでも人々や時代がついてこない。『世界で8億人いる障害者に使われるカネを他に回せ』といいつつ障害者殺人の報酬に5億円を求めた男だけに『自分がカネが欲しいか守られたいだけ』の本音が透けて情けない。

社会的弱者を殊更に標的にして税金の無駄などとヘイトしている人は、健常者である自分が障害者より惨めな気分を味わわされている(不当に冷遇されている)というような被害妄想・対抗心を持つ事が多く、『社会の改良』という建前の背後で『相対的な弱者性による無力感・自己嫌悪』を打消す道具として弱者を否定・攻撃する。

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