今上天皇の譲位(退位)可能な法改正のご要望:古代・近代の天皇制の歴史・国民の支持率の高さについて

近代天皇制は戊辰戦争で『錦の御旗』を掲げた薩長の政治利用と現人神化・一夫一婦制採用に始まり、『男系の皇統維持・天皇個人の限界への配慮』に問題も多い。譲位も戦後より早く議論されるべきだった。

<陛下>「変わらぬ形を」 おことば公表前、学友に打ち明け

敗戦時、米国議会では昭和天皇を最大の戦犯として軍事法廷にかけ処刑すべきの意見も出たが、当時の日本の国体・主権の中心にある天皇を害した後の『占領統治の困難・徹底抗戦のテロリズム』を警戒し見送られた。日本の天皇制は外国の君主制より庶民の国民アイデンティティと国親の象徴、歴史の一貫性に根を下ろしていた。

日本の教育制度(日本史の歴史教育)にも組み込まれた天皇制は『日本人とは何であるか?』という日本国民の半ば歴史・半ば神話的創作の自己アイデンティティと水面下で結びつき、意識化しなくても天皇制廃止に不安感・喪失感を感じる国民はかなりの割合になる。日本は共和主義的・革命的・脱神話的な自意識にはなりづらい。

『天皇陛下が国家・国民の安寧と発展を祈って祭祀し続ける国が日本』という自己定義は、儒教道徳を前提に国民を『赤子』とし、天皇を『擬制の国父』とする前近代的な世界観を持続する。天皇制という個人の時間軸を越え歴史を貫く『超越的権威』で、日本人は『意味のある歴史・伝統の担い手』である神話感覚で自己補強する。

天皇制が世界最古の君主制だと誇る日本人は、保守主義者でなくても多いが、天皇と神道は半ば自然的な信仰・信念に近づいている。天皇が年齢・健康の限界を感じた時に譲位できる恒久的制度を確立すべきだが、宮家増設(女性宮家含め)がなければ男系男子のみの皇位継承が不可能に近づく事も今から想定しておくべき問題だ。

天皇制が民意喪失によって廃止される可能性は現状ではほぼないと思われるが、天皇・皇太子の一夫一婦制での男系男子のみの皇位継承であれば、いずれ子供に男子が生まれなくなった天皇(皇太子)とその兄弟の次の代で皇統断絶の可能性はでてくる。天皇家が急に多産になるとも考えにくく、長期持続性には疑問符がつく。

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