37歳の息子が金属バットで母親を殺害:中高年の長期のひきこもり・無職の問題と家族関係の悪化

『家庭の貧困・子や孫の無収入』を背景とする家族間殺人・心中は、子が30代後半以降まで不適応だと『今からの仕事・生活・関係の再建』が難しく、家族関係が険悪化し将来・自己の悲観が起こりやすい。

金属バットで殴られ母死亡 37歳の息子を容疑で逮捕

30代後半~50代の世代は、途中で職業生活から外れた無職化や非正規化にせよ、ずっと働いていないニート・ひきこもりの高齢化にせよ、『効果的な就業・自立・増収の支援』が難しく、ただどこでもいいから働けの叱咤・非難・強制のスパルタ式によって良い変化が起こるケースも少ない。現代の心理・社会の構造問題も含む。

親の子供に対する教育や自立支援の失敗として『自業自得』の声もあるが、60代以上の世代と30?40代の世代では『学校教育・進路指導・人生観』に相当ギャップがある。60代前後は『学歴社会や世間体の優劣感情』に振り回されながらとにかく勉強・学歴の子育てをした人も多く、地道な労働道徳は子に伝えてなかったり。

過去にも東大卒の親が受験・就職で挫折した家庭内暴力の子供を金属バットで叩き殺した事件があったが、これは『学歴社会や世間体の優劣感情』に振り回された子育ての失敗例の典型で、『多様な働き方・稼ぎ方のノウハウ(勉強・就活の道がダメなら他にどうできる?)』を東大卒の親自身が知らず、子をスポイルしたものだった。

子供が長期のひきこもり・ニート・無職に陥るケースには、『親の子供に対する育て方や教え方の間違い』と『子の能力・性格・意欲・魅力・価値観の問題』もあるが、それは『甘やかし・過保護?スパルタ・叩き出しの二元論』で語れるものではなく、『今・ここからどんな仕事や稼ぎ方があるか』を親も子も分からない事である。

『勉強を頑張っていい学校に進学したらいい職業に就ける』の単純なアドバイスしかない親世代も少なくないが、『勉強ができなかったら・学校を中退したら・就活で失敗したら・就職した仕事をすぐ辞めたら・長く引きこもったら』、『その時からどんな働き方・稼ぎ方で立て直せるか?』が分からなければ誰でもリスクがある。

『勉強ができなかったら・学校を中退したら・就活で失敗したら・就職した仕事をすぐ辞めたら・長く引きこもったら』は問いとしてはシンプルだが、月日が流れて30~50代にまでなってくると、そこから中流階層的な働き方や稼ぎ方を立て直していく事は元の能力や過去の実績がある人でも、簡単にすぐにできることではない。

いざとなったら生活のために何でもする(できる仕事に感謝)、年を取ってから若い人に注意を受けながらでもやる、今までのキャリアや収入を忘れゼロから下働きするといった自意識や発想の転換ができれば、何歳でも何か仕事はあるが、現代の子育てや学校教育には『逆境・挫折・転落で踏ん張る力』が欠けやすいものだ。

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