子供の数が多いほど税が軽減される『世帯方式』の検討, アスクルの倉庫の大火事の雑感

○N分N乗方式は子育て支援策として悪い案ではないが、実質『年収600万以上のミドルアッパー層の減税策』に近い。独身者・低所得層の税負担は据置きで増税ではないが、高額の所得税を納める人は元々少ない。

<自民有志議員>子多いほど税軽減…「世帯方式」検討へ

年収1000万の単身者と2人子供ありを比較するモデルケースは『N分N乗方式の効果』の分かりやすさを強調しすぎた例だが、社保・経費を引いた課税所得が1000万を超える20?40代の高所得者(特にサラリーパーソン)は人数が少なくて大半の人に関係ない。単身で課税所得1000万なら330万負担には耐えられる。

反対に年収100~200万台の所得の少ない人、200~400万台の最もボリュームがある所得層では、元々課税所得が小さく所得税負担よりも社会保険負担(年金・健康保険)のほうが大きいくらいになる。N分N乗方式は中流サラリーマンの減税策だがこの層は既に子供がいる人が多い、追加の少子化対策効果は限定的だろう。

一人っ子の中流サラリーマン世帯が二人子供を持つようになる可能性、あるいは月数万単位の消費を増やす消費刺激効果は期待できる。ただ低所得者対策とか追加的な結婚・出産の増加という面では、元々の所得税負担が薄いので『減税政策』は効果が弱い。どちらかというと社会保険減額や消費税据え置きのほうが効果があるだろう。

○アスクルの倉庫火災が長引いている。『乾燥した季節+閉鎖空間(倉庫内)の大量の可燃物』で燃え広がりやすいのと、中に入れない状況で倉庫内に効果的な放水ができない影響があるのだろう。

アスクル火災、3世帯避難勧告=爆発も、鎮火めど立たず―埼玉・三芳

石油系の材料が含まれるスプレー缶や化粧品、アルコール度数の高い酒など燃えやすかったり爆発するリスクのあるものもあり、『同じ商品を積載した区域』で爆発が起こっている可能性があるが、大規模火災になると思っている以上に消えない。

倉庫の上から水をかけていて、燃えている場所の正面からの放水が難しい状況というか、外に向かって開く窓がほとんどない密閉された建物の構造が消火活動を妨げているようだ。

アスクルは名刺・チラシなどの『名入れのオフィス用品』で便利なサービスのイメージがあったが、サイトを見ると生活雑貨・食品など色々なものを取り扱っていて『事務用品に特化したAmazon』みたいな感じになっている。これだけ大型の流通設備が燃えると、到着が遅れる顧客の対応も大変だろうが、アスクルの資産価値の損失も大きい。

そもそもの火事の原因は、フォークリフトの車輪の空回りや故障によるダンボールへの着火とも言われているが、とんだ大惨事の大火事に発展してしまった。フォークリフトの運転手もさぞ肝を冷やしていることだろうが……乾燥した季節、密閉された建物などの悪条件が揃ってしまった。

スポンサーリンク




楽天AD