小金井ストーカー刺傷事件:距離感の近いアイドル業・接客業におけるつきまとわれる潜在リスク

人に好印象を与え好かれるのは一般に長所で喜び・自信につながるが、『(モノでなく)自分自身に対する不特定多数の好意・応援』で成り立つアイドル業はどんな人を惹きつけるか分からず怖いな。

28歳男、起訴内容認める=音楽活動の女子学生刺傷―東京地裁支部

ビジュアルを活かしアイドル・モデルなど有名人(芸能人)になりたい人は大勢いるが、『自分の顔・名前を不特定多数に知られ熱狂的に欲望される対象』になることは、客観的には(ファンは選べない為)粘着・妄想のストーカーやサイコパスを寄せるリスクもある。公演の仕事を続ける限り、拒絶・回避の術も限られる。

この凄惨な事件は、『意図的にストーカーになるためにアイドルの追っかけをしているような妄想性・自己愛性・反社会性パーソナリティー障害の疑いが濃い異常な加害者』に目をつけられ、被害者がなまじ性格が良くて初期の段階できっぱり断れず、流れで時計のプレゼントを受け取ってストーカー事件に巻き込まれたケースだった。

加害者は過去にも近い距離で接しやすいアイドルやアーティストに目をつけて、類似のストーカー事件を繰り返しており、そもそもアイドルや芸能人のファンというものについて大きな勘違いや妄想をしていた。イベントやライブを楽しむため参加すべき場に『個人的な好意・プライベートなつき合い』を求める事がおかしいのだが。

一回だけ軽く声をかけ相手が個人的に会うことなどをOKしたならともかく、アイドルや芸能活動は『個人的な出会いを求める場』ではまったくない。プレゼント云々も普通は『ファンが一方的にあげて満足』で終わらせるべきもの。加害者の妄想体系に巻き込まれた女性は気の毒だが、この種の異常人格に粘着されれば男でも危うい。

ビジュアルも含めた魅力・芸事で売ろうとするアイドルや芸能活動には、若い女性だとどうしても『性的魅力・擬似恋愛の要素』が介在し、『会えるアイドル』のような身近な距離感が人気の秘訣になったりもするが、『その場限定の身近さ・親しみ』をプライベートなものとして勘違いする加害者のような人も確率的に出る。

そもそも男女関係は『総合的魅力の釣り合いのバランス』を無視できないもので、この加害者は『被害者女性がアイドルではない一般女性であったら話しかけて近づけたのか(自分を受け入れる可能性があると思えたのか)』という部分を考えられない点で現実認識能力が破綻した妄想性パーソナリティー障害に近かったのだろう。

スポンサーリンク




楽天AD