モラルハラスメント(モラハラ)をする人とされる人の心理:上下関係の刷り込みと他者を操作・支配したい共依存的な欲求

精神的な危害を加え自尊心・自立心を貶めるモラルハラスメントは記事の自己愛性パーソナリティーとも関係するが、『他者の操作性・共依存・相手の弱み(立場・経済等)の発見や掌握』も影響している。主従関係を繰り返し刷り込む暗示でもある。

身近にいる? モラルハラスメントの加害者、被害者になる人の特徴

モラハラは大きく分ければ『相手の能力・外見・人生・属性等を馬鹿にし否定して自分を上位にする型(自分がいないとダメと思わせる)』と『自分の怒りや不快を言動・態度でほのめかして相手に察せさせる型』に分けられる。モラハラ概念がなかった時代には陰湿・粗暴で性格が悪いとか気分屋で扱いにくいで済まされていた。

モラハラをする人は、家族・恋人・親友など距離の近い関係において『フラット(対等)な関係・話し合いで合意する関係』を築けないか意図的に築かない傾向がある。猫かぶりすることもあるが、『相手が自分の思い通りに動いてくれないといじける・拗ねる・怒る・無視する』等の幼児的な反応(間接的な要求と攻撃)が多い。

モラハラをする人も、誰でも彼でも意地悪・乱暴な反応や相手を馬鹿にしたり侮辱したりする言動をするわけでは当然なく、『自分が見下しやすい相手(抵抗されても大丈夫そうな人)の見極め』に長けている。一般社会では逆に世俗的な権力・肩書き・財力・学歴等にへつらい、その基準で配偶者等を馬鹿にしやすい。

モラハラをする人は自己愛性パーソナリティーであると同時に、強い者にへつらい弱い者に大きく威圧的に出る権威主義の性格を持つことも多い。自分一人で自立的に行動するのが苦手で、家族・恋人・友達など誰かを子分や取り巻きのように思い通りに操作し従えたいとする支配欲が強いがモラハラはその手段にもなっている。

精神的嫌がらせであるモラハラは、不安・緊張・自己嫌悪を強める影響があり、『固定された関係・環境』で長期間にわたって持続すれば、一定の確率でうつ病・不安障害・パニック障害・自律神経失調症などを発症させる。話だけ聞けば大したことがないように思える事案でも、心身の健康に深く関わっている。

実際に生活・仕事の大部分を共有する相手からモラハラを受けていれば、『心身をリラックスさせられる時間』がないという事になり、『相手がいつ怒るか分からない・いつ自分を侮辱するか分からない(常に萎縮し気を遣う)』の状態なら早期に相手と離れるか環境を変えるのが望ましいが、それができずに悩む人も多い。

確実にモラハラをするかどうか見極めるのは難しく、相手との相互作用でモラハラをしやすい心理・状況が生まれる事もあるが、普段から思い通りにならないと大声を出して暴れるとかモノにあたって壊すとか(粗暴でドア・窓を極端に激しく閉めるとか)で、『自己制御の困難さ・他人を責める傾向』が伺える事もある。

モラハラの人は『なぜ自分が不愉快な思いをしているのか?』について、自省的・思慮的・抽象的ではない特徴があり、『自分も悪い所があった・他人は思い通りにはならないものだ』というような方向には思考が働かず、『あいつが自分の気持ちを察して動かないから悪い・自分は悪くないから変わらなくて良い』になりやすい。

モラハラの具体的言動は、記事の何回もクラクションを鳴らすもだが、わざと『ドアを激しく閉める・机を叩く食器を鳴らす・モノを殴る蹴飛ばす・無視する』など、『自分は怒っている・もっと察して気を遣えの間接的なほのめかしの要求(端的に俺・私に従わないと不穏な空気にする)』が多い。

心理的・経済的な負い目がなければ『自分の世話くらい自分でしろ・お前が怒っていようが不機嫌だろうが人のせいにするな』で終わる話なのだが、実際には専業主婦(主夫)や子供のような立場にあったり、精神疾患に近いような状態で相手に依存していたりで、馬鹿にされたり威圧されても逃げられないケースも多いのだろう。

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