スマートフォンやタブレットは飽くまで『コンシューマーサイドのデバイス』なので、サイトやSNSを閲覧したりアプリケーション(各種エンターテイメント)を利用したり動画(映像コンテンツ)を楽しんだりするのには向いているが、文章・サイト作成・プログラムなどの『アウトプット』には限界がある。
調査会社IDCジャパンが発表した2013年4~6月の国内パソコン出荷台数は、前年同期比12・5%減の337万台だった。前年同期を下回るのは、5四半期連続で減少幅も広がった。
需要が拡大しているスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末に押され、個人向けパソコンが29・4%減の146万台と大幅に減ったことが響いた。
法人向けは7・2%増の191万台だった。米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズXP」のサポート終了を来年春に控え、買い替え需要が堅調だった。
ウェブユーザーの大多数は本格的なコンテンツを作成するわけではない“ライトユーザー(コンテンツの閲覧・短文や写真の投稿が主体のユーザー)”なので、今後もスマホやタブレットの比率が高まっていくだろう。
一方で、屋外でネットにつなぐモバイルを多用するユーザーでなければ、ノートでもデスクトップ(一体型)でもパソコンのほうが『すべてのニーズ』を一台で担える利点があり、『長文投稿・画像や動画の編集・アップロード』の多い人は物理キーボードや大型ディスプレイがあったほうが良い。
スマホとタブレットも共に所有しているが、これらは機能・利用目的の多くが重複するのでどちらか一つを持っていれば十分だろう。家族など複数のユーザーで『同じ映像・写真のコンテンツ』を見たいなどの目的があれば、10型タブレットをスマホと別に買っても良いが、スマホと7型タブレットを両方買っても利用目的は大きく変わらないので、どちらかだけを長く使い倒すことになりがちだと思う。
電子ブックなどは逆に4~6型程度のスマートフォンのコンパクトなサイズのほうが読みやすくて持ち運びやすいし(読みながら姿勢を変えやすいし)、電子ブックリーダーの専用機を買いたいのであれば、商品数の多さやバッテリーの持続時間から“Kindle”を購入したほうが満足度は高い。スマホのKindleやHontoなどのアプリでも十分に電子ブックは読めるので、必ずしもKindleを専用機として買う必要はないとも思うが。
映像や写真を閲覧するにはディスプレイは大きければ大きいほど良いが、モバイル用途や携帯性を考えると『10型タブレット』は必ずしも『7型タブレット』よりも使いやすいわけではなく、片手で軽々扱えるほどには10型の軽量化は進んでいないのが現状で、“iPad”のサイズ感が一般ユーザー向けかというと微妙ではある。7型タブレットであればスマホと殆ど同じ感覚と重量で扱うことができるが、10型以上は7型までのタブレットとは『使用目的・利用場所・重量の感覚』が全く異なってくるのでスマホの延長線上のデバイスではない。
10型タブレットは両手で持って寝転んで使うというような使い方には向いておらず、どちらかというと机の上で背面を手で支えるような使い方が多くなるので、椅子に座って机の上で操作するならノートパソコンやデスクトップパソコンのほうが使いやすいと感じるユーザーも多いはずだ。実際、パソコン所有者であれば大きめのタブレットの使用頻度はそこまで高くならない気もするが、パソコンかタブレットかの選択で迷っているようなユーザーであれば、『価格・利用目的・操作方法』からタブレットの方がお買い得で使いやすいと感じる人が多くなる。
“Windows8”のOSはスマホのようなタッチパネル操作にこだわったことで、逆に使いづらくなったように感じるが、ノートPCにタッチパネルをつけても実際の操作ではそこまでタッチ操作をすることがない。マウスとキーボードの操作の正確性と迅速性は一日之長があるので、『アプリの閲覧・ブラウザ内の上下左右の移動』以外ではタッチパネルを敢えて使いたいと思える場面は意外に少ない。個人的にはWindows7のほうがOSとしてのシンプルな完成度が高くて使いやすい感じがするので、XPの次は割安になっている7搭載のPCを購入し、8の次のOSを待ってみても良いように思う。