暴力団の構成員数が過去最低に:公権力・市民社会がヤクザの非合法権力・暴力・みかじめ(半徴税)を容認しなくなった変化

ヤクザ(渡世人・侠客)が暴力団に変わり反社会的勢力と認定された時から、社会悪として排除・規制される側に回り、政治・企業の汚れ仕事を担う癒着も薄れ旨みも減った。

暴力団、構成員数「過去最低」の背景…進む取引拒絶、住みにくい世の中に

ヤクザの歴史は近世江戸期の博徒・的屋・火消し・侠客まで遡るが、昭和期の近代ヤクザは『公権力・法律が十分に及ばない裏社会・歓楽街(風俗関連)・荒くれ労働者(日雇い人足)の現場社会のまとめ役(顔効き役)』『企業社会に適応できない不良・粗暴者の所属と身元預かり先』として社会的役割を当てがわれていたりした。

現代では法治主義(公権力)・管理社会の強度が増していて、『治外法権的・暴力的な問題解決』はすべて違法行為に直結して警察に通報されるだけとなり、『表と裏の境界』が崩れたことで警察と棲み分けをしていた所もあるヤクザの居場所や非合法な民間権力(恫喝的・威圧的な暴力による紛争調停機能)は失われている。

ショバ代や用心棒代などの名目で歓楽街の店舗の多くから、みかじめを得られていたヤクザの最盛期は、その地域社会自体がヤクザを本音で嫌う人はいてもそういった歓楽街・裏社会の顔効きとしての役割を一応は認めていて、みかじめという『半税金』を上納していた。範囲限定的な徴税に近い行為をヤクザがしていたわけである。

最近のAV強要問題にしても、歓楽街からの暴力団排除にしても、今は公権力も市民社会も『二重権力構造(表と裏)』や『非合法な民間権力めいた強制力』をはっきり拒絶する姿勢と対応を示し始めたが、その根本は国家に生きる人間そのものがより法治・正論に馴染み人治・暴力を受け入れない考えになった事も関係している。

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