バイク(二輪車)はなぜ売れなくなったのか?:EU主導の排ガス規制強化で50ccバイクの消滅危機…

米国ではトランプ政権で経済を優先して温暖化対策に逆行する動きも見えるが、EUは排ガス規制(温室効果ガス・大気汚染物質の規制)は潔癖なほど厳しい。しかも短期で削減ハードルを上げるので、既存技術の改良レベルでは車・バイクを売れなくなってしまう。

目前に迫った50ccバイクの滅亡

EUは環境保護のエコロジーや健康増進の政策目標だけではなく、個人情報保護やグローバルビジネスのルールについても、アメリカ以上に細かくて要求が多く、Googleなども独占禁止法や個人情報保護法の違反の疑いで訴えられたりしている。規制はアメリカにグローバルスタンダードを奪われない防御的政策の面もある。

免許取得が安価・容易でバイク本体も安いのが、50ccの魅力だが、EURO5以降の排ガス規制に適応させる抜本的なエンジン改良をすれば、バイク本体の価格が高くなって売れないだろう。250cc以上の趣味性の高い中型・大型のバイクなら価格転嫁できるというが、今の400ccは70万以上で高すぎて売れない。

なぜバイクが売れなくなったのかと記事では嘆きながら疑問を書いているが、端的に『実用性・快適性に乏しいのに価格が高すぎて軽自動車と変わらなくなったから』である。50ccならまだ日常の足での価格・維持費のメリットがあったが、中型以上は軽の中古よりも高く実用性は落ちる、相当に趣味性の強い乗り物である。

バイクは車よりも個人の運転技術と安全確認が大きく関係してくる乗り物で、事故率が高くスピードが少しでも出ていれば死亡事故になるのも不人気な理由だろう。また最近の車なら車検以外にノーメンテナンスでも乗れるが、バイクというのは最低限の整備の知識と自己メンテ、こまめなオイル交換をしてないと故障しやすい。

最近の車ならエンジンが一発で始動しないことが殆どないし冬の暖気運転も不要、夏でもバッテリーが上がることは滅多になく、オイル交換をサボっても動かなくなることはない。バイクは定期メンテを受けても色々不具合は出やすく、主な箇所をチェックできる程度の最低限の整備知識がないと困る場面が結構あったりする。

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